妊娠初期/妊娠3ヶ月

妊娠8週目 エコー写真や胎児の大きさ平均・つわりや流産症状

妊娠8週目(8w)の胎児の大きさはエコー写真で測ると頭殿長(座高)が15~20mmほどに成長し、「胎芽」から「胎児」と呼ばれるように。妊娠八週頃はつわりのピークを迎える人が多いでしょう。個人差があるため全くつわりがないという方も、超音波検査で心拍確認できれば大丈夫。気になる妊娠初期の流産の原因・症状(出血・腹痛)などの知識も知っておきましょう。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

妊娠8週目の胎児の大きさ・エコー写真・胎児と呼ばれるように

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妊娠8週目(8w)、胎児のエコー写真・超音波写真

■妊娠8週目
  • 妊娠3カ月
  • 受精から42~48日目
■胎児の大きさ
  • 頭殿長(座高)15~20mm
妊娠8週(8w)になると赤ちゃんは、「胎芽」から、「胎児」と呼ばれるようになります。経腟超音波検査では妊娠6週から心拍が確認できるので、妊娠8週で経過が順調であれば、心拍はしっかりと確認できているはずです。

まだ栄養の多くは、卵黄のうという栄養の嚢からもらっていますが、未完成の胎盤とへその緒を通してお母さんからの栄養補給も少しずつ始まっています。胎盤は急ピッチで形成されていて、4ヶ月ころに完成します。
<目次>

妊娠8週目の胎児は内臓の基本形ができてきます

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これまで「胎芽」と呼ばれていましたが、「胎児」と呼ばれるように

妊娠8週目(8w)の赤ちゃんはまだ小さいですが、この時期には、心臓、脳、肝臓、肺、腎臓などの、ほとんどの内臓は基本的な形はすでにできあがっています。腸は長いので、まだお腹におさまりきれずに、超音波検査では臍帯ヘルニアといって“でべそ”のように見えることがあります。でも、もう少し週数がたつと、ちゃんと、おなかの中にもどってゆくので心配はありません。
 

胎児の顔の形はどんどん発達しています

赤ちゃんの顔の形はどんどん発達し続けています。妊娠8週目(8w)になると、鼻孔と未発達の鼻がみられるようになり、口を形成するために、あごが顔の中央で融合し始めます。唇に厚みも出てきます。耳たぶが顔の下あたりに形成され、舌もできてきました。 まぶたも識別できるようになります。目の構造もかなり発達しましたが、見る力はまだまだ備わってきてはいません。また顔のすべてが皮膚で覆われてきました。
 

すでに「胎動」があります

赤ちゃんの手のひらには溝ができて、指の生える場所ができてきます。指と指の間は皮膚が折り重なり、水かきのようになっています。

腕や足も長くなってきて、まだ小さいけれど手首が曲がるようになってきています。これから腕が伸びて、肘の部分も曲がるようになってきます。小さな腕にはもう動脈、静脈が通り始めています。脳や筋肉、神経系が発達してくると、体や手足に自発的な動きがみられるようになってきます。妊娠8週目(8w)でもう胎動がみられるのです! 健診での超音波検査中に、赤ちゃんが動きだすことがよくあります。これは、皮膚感覚(触覚)が発達している赤ちゃんが超音波を感じての反応です。

また骨盤内に生殖巣が作られ始め、性別にかかわらず乳首が現れてきます。
 

双子・多胎妊娠

双子でも、三つ子以上であっても、順調に経過していれば、この時期は、通常の胎児と大きさ、発達もかわりありません。発育(大きさ)に差が出てくるのは妊娠20週以降になります。

多胎児の大きさが同じで、心拍がはっきりと確認できてれば順調です。ただし、赤ちゃんの大きさに明らかな差がある場合があります。この時期に差がある場合は、小さい方の赤ちゃんに異常がある可能性があります。

また、双胎の予後や妊娠管理は、一卵性か二卵性かの卵性ではなく、膜性といって一絨毛膜性かニ絨毛膜性かによってかわってきます(膜性診断)。これは胎盤がひとつか、ふたつかという分類です。さらに、胎盤がひとつの(一絨毛膜性)場合は、ふたりが別々の羊膜(二羊膜性)に包まれているか、それともひとつの羊膜(一羊膜)の中に一緒にいるのかを確認します。通常、妊娠10週までにこの膜性診断を行いますが、妊娠8週までにはほぼわかります。

双子・多胎妊娠の仕組みと出産方法
 

妊娠8週目の症状・気を付けること
つわりがピークの時期になる

妊娠8週目,8w,妊娠八週,8w0d,8w1d,8w2d,8w3d,8w4d,8w5d,8w6d 水分も取れず脱水症状が進行すると母体の命にかかわることも

水分も取れず脱水症状が進行すると母体の命にかかわることも

個人差はあるのですが、妊娠8週(8w)頃は、つわりのピークの時期を迎えています。つらいとは思いますが、口に入るものを小分けに摂取しながら、何とか付き合ってくださいね。食事は摂れなくても、水分を飲めて、おしっこは出ているかが、身体的に乗り切れるかどうかの基準となります。

水分も摂れないのに、嘔吐を繰り返す場合は、妊娠悪阻といって、脱水症状が進行し、重症になると脳症状が出現し、お母さんの命にかかわることがあります。つわりを軽く見てはいけません。無理をせず、早めに病院を受診してください。

一方で、つわりがない人もいます。まわりからは羨ましがられるかと思いますが、本人は「赤ちゃん大丈夫?」と、かえって不安になることもあるでしょう。ただ、健診で赤ちゃんの心拍が確認できていれば大丈夫です。つわりがなくても赤ちゃんは元気に育ちます。

つわり中は、歯磨きも辛いことかもしれません。歯ブラシが口にあたるだけで、吐き気を催すことがあるので、いつもより小さめな歯ブラシを買って、ストロークを小さめにしてみるといいかもしれません。歯磨き粉も自分向きのものにかえて、ぶくぶくうがいを多めにしてみましょう。それでも歯磨き粉の味がダメなときは、ブラッシングだけでもOKです。

いつまで続く?つわりの時期・症状と対処法
つわりを軽減する10の対処法
 

妊娠初期流産の原因・症状

流産とは、妊娠22週未満に何らかの原因で赤ちゃんが母体の外に出てしまうことをいいます。そのうち、妊娠12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降22週未満を後期流産と分類します。妊娠初期に起こる流産の原因は、そのほとんどが受精卵の異常であり、染色体や遺伝子に異常があってうまく細胞分裂ができなかったために偶発的に起こるものです。受精卵の時点で運命が決まっており、いくら母親が注意していても、流産を避けることはできません。

胎児心拍が確認されていれば、流産の症状(腹痛や出血など)が見られても流産にならず落ち着いてゆくことも多いでしょう。流産をとめる治療はなく、腹痛や出血があっても妊娠12週未満は自宅で様子をみましょうという病院もあります。ただ、不安になると思うので病院に連絡して指示をあおぐようにして下さい。

妊娠初期の流産の症状・原因・手術方法

また、生化学妊娠・化学(的)流産(ケミカル・アボーション)とは、受精卵が着床をして、妊娠性のホルモン(hCG:ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌され、妊娠反応が陽性になることで化学的に妊娠を確認した後、超音波検査で子宮の中に胎嚢が見えてくる前に、発育が止まり、生理用の出血が起こり、hCGが消失してゆく、妊娠が終了する現象をです。
なお、日本産科婦人科学会の現在の定義では、生化学的妊娠を流産回数に数えないことになっています。

生化学妊娠・化学(的)流産(ケミカル・アボーション)の原因や症状とは?
 

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