住宅リフォーム/リフォームのトラブル・失敗

こんな筈じゃなかったリフォームコストダウン失敗事例

こんな筈じゃなかった!リフォームコストダウンの失敗事例をご紹介します。欲しかったものを諦めても、思ったように費用が安くならないのがリフォームです。コストダウン成功の秘訣とは?前後編でお届け、今回は前編です。(2017年改訂版、初出:2007年10月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

リフォームのコストダウンは方法を間違えると失敗する


リフォームのコストダウンで失敗

リフォームのコストダウンは費用を安くすることばかりに気を取られると意外な失敗をすることが。


リフォームの見積もりを取ってみたら大幅に予算オーバーしていた!というようなケースは多いもの。でもだからと言ってコストダウンの方法を間違えると、せっかくのリフォームが台無しになってしまうことがあります。大事なことは費用を安くするだけではなく、中身がどうなるかを見極めること。失敗事例をご紹介しながら、成功の秘訣をご紹介します。

<目次>

リフォームコストダウンの失敗事例-本当にそれでいいの?

築23年の木造一戸建て住まいのAさんは、キッチンが古くなり、あちこちに物があふれて手狭になってきたので、LDKのリフォームをすることにしました。

キッチンはこだわりのオールステンレス製のシステムキッチンを要望。またテレビを見ながらのんびり料理をしたいので対面式キッチンに変更し、リビングの収納を増やすことを含めて、少し増築することにしました。

しかし、見積りを取ってみたらリフォーム費用は、はるかに予算オーバー。そこでリフォーム費用を少しでも安くするために、見積書と首っ引きになって徹底的にコストダウンを図ることにしました。Aさんが考えたコストダウン策は以下の7つです。

【Aさんが考えたコストダウン7案】

  1. オールステンレスのシステムキッチンから木製キッチンセットへ変更
  2. 食器洗い機、IHクッキングヒーターは中止
  3. 床暖房は中止
  4. ダウンライトやスポットなどの間接照明は中止
  5. 窓サッシとガラスの断熱性能をグレードダウン
  6. フローリングをグレードダウン
  7. 壁は珪藻土からビニールクロスに変更

キッチンのコストダウン

楽しみにしていた憧れのキッチンリフォームが、コストダウンでなんだか楽しくないものに。


上の7つの方法でコストダウンができないかと、リフォーム業者に申し出てみたところ、まだ予算には届かないが、だいぶ費用が安くなってひと安心。他にもどこか削れるところはないか、再度検討することにしました。

しかし、考えているうちに、本当にこれでいいのか?Aさんは不安になってきました。コストダウンしたとは言え、総額にしたら決して安い費用ではありません。しかも1回リフォームしたら、この先20年はこのままになることでしょう。

リフォームをすれば部屋は広がるし、キッチンも新品にはなります。でも以前から憧れていたもの、欲しかったものはほとんど中止。確かに費用は安くなるけれど、本当にこれでいいのだろうかと、考え込んでしまいました。

欲しかったものを諦めたのに値段が下がらないという失敗

実は、このような事例は、コストダウンの際によく見かける失敗です。欲しかった物を一生懸命諦めたのにもかかわらず思ったように金額が下がらない、またせっかくリフォームしたのに満足のいく結果にならないというケースです。

どうしてそうなってしまうのでしょうか。実は建築工事はお互いが複雑に絡み合っているため、これをやめても費用はあまり変わらない、それより一緒にやったほうがずっとお得というケースがままあるからです。

逆に、ここをちょっと小さくすれば大きくコストダウンするけれど、それに気付かないケースもあります。リフォームは少しずつ壊しながら工事を行うため、このようなことが起きやすく、効率的にコストダウンするためには知識と技術が必要になります。

見積書を見ながらコストダウン

見積書を見ながらじっくり考えたはずなのに、費用が思ったように安くならない、コストダウンができないケースは少なくない。


さてAさんは、この後、起死回生のコストダウン策に出ます。今までのアイデアを全部白紙にしてのぞんだ策とはどんなものだったのでしょうか。

視点を変えればコストダウンの解決策が見えてくる

悩んだAさんは、リフォームの計画をいったん全て中断、白紙に戻しました。そして再度、このリフォームで本当に自分がしたかったことを考えてみました。

また最初に依頼した1社だけでなく、別のリフォーム業者にも声を掛けて、じっくり相談し直してみることにしました。

リフォーム業者に相談

本来自分がしたかった暮らしはどういうものなのか、いったん白紙に戻してリフォーム業者とよく話しあった。


そこで、本来自分がしたかった暮らしはどういうものなのかを話しているうちに、あいまいだった自分の要望がはっきりと形になり始めました。

そこで再度プランの練り直しを行なうことになり、結果、2社めのリフォーム業者から下記のような提案を受けることができました。

【1社めのリフォーム業者から提案されたコストダウン案】

  1. 増築は中止
  2. 既存の収納を効率よく作り直し、壁面収納を設置
  3. キッチンの移動はせず、新たに収納を兼ねたアイランドカウンターを設置
  4. キッチンにテレビやパソコンが置ける家事カウンターを設置

これらの変更で十分に予算に合うプランとなり、システムキッチンは念願のオールステンレス製、便利な設備機器、断熱性能が高いサッシも取り付けることができました。

Aさんはこのプランで大いに満足し、今も快適に暮らしています。さてAさんはなぜこのプランで満足したのでしょうか。また大幅なコストダウンを成功させたポイントはどこにあったのでしょうか。後編で成功の秘訣を詳しくご紹介します。
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