感染症/感染症のしくみ・感染経路・予防法・治療法

直そう! 間違いだらけの我流うがい

うがいが自己流になっていませんか? 上を向いてガラガラするだけに見えるうがい。今回は、効果のあるうがいをご紹介します。風邪予防に、一度うがいの方法を見直してみてはいかがでしょうか。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

最近、すっかり寒くなってきましたね。秋から冬にかけて空気の乾燥と共に風邪も流行ってきます。体力を消耗して風邪を引かないように、しっかり予防したいですね。

なぜ風邪になるの?

何だか寒気が……風邪は引く前の予防が大事!
風邪は、風邪の病原菌が体内に入ることによって起こります。まず、風邪の病原菌は、8~9割近くがウイルスで、コロナウイルスやアデノウイルス、インフルエンザウイルスなどをはじめ200種類があるといわれています。また、残りの1~2割がマイコプラズマなどの細菌による感染で起こります。

「風邪には、抗生物質が効かない」というのはこのため。抗生物質は菌には効果がありますがウイルスには効果がないからです。ただ、風邪の二次感染予防として抗生物質が処方される場合もあります。

次に、風邪の感染経路についてですが、感染者の近くにいて咳やくしゃみ、会話などから風邪の病原菌が入り込んで感染する飛沫感染(ひまつかんせん)。または、感染者に接触したり、感染者が使用したモノなどに間接的に触れることから感染する接触感染(せっしょくかんせん)などがあります。

たとえば菌の増殖時期でない風邪の終わりの咳など、感染力の無い咳もあるようです。

風邪の予防方法は?

風邪の感染経路でも触れたように、風邪は、風邪の病原菌が飛んできてそれを吸い込んだり、病原菌に触れた手で、口や鼻の周りを触るなどして、体内に入り込みます。すなわち、病原菌が入り込むのは、口や鼻からなのです。

これを踏まえて、予防方法についてご紹介します。

■ アルコール消毒液で手洗い
手についた病原菌を落とす意味で効果があります。ただ、きちんと菌が落ちるように、指の間だけでなく、爪の中や手首まで洗えると効果が高くなるでしょう。

また、石けんでの手洗いだけでなく、最近は、アルコール消毒液が販売されていますので、こちらの単独の使用、または併用もオススメです。

■ 乾燥防止にもなるマスクの装着
病原菌を吸い込まないだけでなく、膜が乾燥すると病原菌が付着しやすくなるので、鼻やのどの粘膜を乾燥させないという意味で効果があります。

■ 病原菌を落とすうがい
口の中やのどに付着した病原菌を落としたり、粘膜を乾燥させないという理由で効果があります。

■ 規則正しい生活
病原菌が入り込んでも免疫が高ければ風邪にかかりにくくなります。そのために、栄養のある食事(カロリーの高い食事のことではなく、ビタミン・ミネラルなどを含んだバランスのよい食事のことです)をきちんと摂ったり、適度な運動、充分な睡眠などは、必須ですね。

>>次のページでは、予防方法の一つ、「うがい」についてご紹介します>>
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