VDT症候群/VDT症候群の症状・原因

VDT健診をご存知ですか?

仕事におけるパソコンワークの比重が高まるにつれ、何らかの健康障害との関わりが懸念されてきています。企業がパソコンワーカーに特有の健康障害をチェックするための健診があります。

執筆者:高林 克枝

VDT健診はまだ一般化されていない
まだ一般化されていない、「VDT健診」とは?
仕事におけるパソコンワークの比重が高まるにつれ、何らかの健康障害との関わりが懸念されてきています。そこで、企業がパソコンワーカーに対し、特有の健康障害をチェックする健診があるのをご存知ですか?

これを行うことで、パソコンワーカーはパソコンワークのための心身の状態チェックができ、企業側は、パソコンワーカーをオフィスでの適切な配置や配属に役立てることができます。

平成14年に策定された厚生労働省のVDT作業ガイドライン(1)では、「VDT作業に新たに従事する作業者に対して、作業の種類及び作業時間に応じ、配置前健康診断を実施し、その後1年以内ごと1回定期に、定期健康診断を行うこと」がすすめられています。今回はこの健診についてご紹介しましょう。

*(1)厚生労働省「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」


VDT健診の中身とは?


目、肩、腕などの肉体的機能状態とともに、ストレスなどの内面的な状態もチェックします。問題が発見された場合は、早めに回復や治療のための対策を検討する、または配置を再考するなどの対処が必要となります。

<業務歴・既往歴>
携わってきたパソコンワークの作業の中身、過去の健康障害の有無を確認する。

<自覚症状の有無>
アンケート調査や診察などを行う。
・視覚負担
・上肢の動的・静的筋労作など
・心身に与える影響

<眼科的検査>
・眼の能力を調べる視力検査は、5mおよび近方視力の検査
・屈折検査により、正視・近視・遠視・乱視の状態を調べる
・眼位検査により、左右の眼の眼位のずれ(斜視)の状態を調べる

<上肢障害などの検査>
・握力検査(左・右手)
・タッピング検査(左右の2指・30秒)
・ピンチ力(りょく)検査(左右の1~2指)

以上を見ると、検診の中身は、眼科的検査の比重が大きいことが分かります。パソコンワークは、やはり目に対する負担が大きいためです。

なお、この健診を行う検査機関や、主催する企業により、検査内容、検査方法に違いがある場合がありますので、ご了解ください。


健診を行うタイミングとは


厚生労働省のすすめる健診のタイミングは、以下の3つです。

・1年に1回の定期健康診断の際に、追加で行う
・1年に1回の定期健康診断とは別に、VDT健診を行う
・オフィスにおける配置前に健診を行う

この健診は企業主催により行われるものであり、費用や時間も必要なので、現在のところ一部の大企業が行っているにすぎない状況です。しかし、これからパソコンワークによる健康障害の影響が心配されるにつれて、より一般化されていくことが予想されます。日々パソコンワークが中心の方は、今後注目していきたい健診ですね。

【目の健康 オススメ人気記事】
1位: 「乱視とは? 自分でできるセルフチェック」
2位: 「まぶたのピクピクを治すには?」
3位: 「オフィスで1分!癒しの無料動画」
4位:「3分間ツボ刺激が疲れ目に効く!」
5位:「 【目の美容】あなたの目のくまタイプは?」
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます