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外壁リフォーム・メンテナンス費用相場と長持ちのコツ

外壁リフォームはいくらかかる?今回は、外壁リフォームの代表格「塗装」と「サイディング」「タイル」について、工事費用の相場とランニングコスト・メンテナンス・耐久性についてご紹介します。断熱性の向上にもつながることもあるので、直射日光や雨風で傷みやすい住まいも、適切な外壁リフォームやメンテナンスがあれば寿命を長くできるはずです。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド

建物の寿命を長くする外壁のリフォーム・メンテナンス

外壁

建物をいつまでも美しく保つということは、メンテナンスが行き届いているということでもあります。建物の寿命を長くするためのリフォームを知っておきましょう。

家は建てたら(あるいは購入したら)終わりという訳ではありません。カタチあるものゆえ、雨風により傷んだり、長い年月において破損したりするものなのです。

外壁のメンテナンスや必要なリフォームを怠ると、建物の寿命を著しく早めてしまう結果につながるのです。

今回は美観だけではない、建物を長持ちさせていく上で非常に重要な、外壁のメンテナンスとそのリフォームについてのポイントと概算費用についてご紹介いたします。
 

外回りはリフォーム前のメンテナンスも重要!

コーキングの劣化

コーキングの劣化がひどくなると、ひび割れたり剥がれたりします。ここから建物内部に雨水などが入り込むと、著しく建物の内部腐食が進みます。

外壁は夏の暑さや冬の寒さ、そして強い雨風などといった厳しい環境にさらされるため、劣化が他の部位よりも早くなりやすく、適切なメンテナンスがないとしっかりと建物を維持させることが困難になります。

特に劣化の目安となる部分として外壁材の継ぎ目部分にある「コーキング」が挙げられます。このコーキングは継ぎ目から雨水が建物内部に侵入しないように施工されるものなのですが、材料の性質上どうしても外壁材よりも早く劣化し、ひび割れや剥がれ、亀裂といった現象を起こします。

施工状態にもよりますが、3~5年ごとの点検により、不具合が確認できる箇所については部分的な補修(約3万~6万円程度)を実施し、時期を見ながら家全体のコーキング(標準的な一戸建て住宅で約20万~30万円)を検討しておきましょう。
 

既存外壁の種類によって異なるメンテナンスサイクル

次に、外壁の種類とメンテナンスサイクルについてご紹介します。
 
外壁の種類

【外壁の種類とメンテナンスサイクルの目安】どんな外壁でも窓回りなどのコーキングが傷んでいないか定期的にチェックする必要があります。


どのような住宅でも窓などの開口部や外壁材料の継ぎ目はあるため、コーキングの定期的な点検は必要ですが、外壁の材質によってメンテナンスやリフォームの種類は異なります。
 

外壁メンテナンスの基本は「塗装」

チョーキング

外壁に触ってみて白い粉のようなものが付いてしまったら危険信号。塗装面劣化のサインです。チョーキングと呼ばれ、雨や紫外線などによって塗膜が劣化したことを示しています。

タイル以外の外壁の場合、定期的な塗り替えが必要です。塗装は住宅をきれいに見せるだけでなく、こういった外壁材の表面塗膜面を一定の状態に保つという重要な働きがあるのです。

特に既存外壁がモルタル下地の塗装の場合、経年劣化によりモルタルにヒビが入ることも多く、このすき間から雨水が侵入し、住まいの構造部(土台、柱など)を想像以上にいためてしまうことが多いのです。また既存外壁がサイディングの場合、当初の表面塗膜は比較的長持ちするものが多いのですが、その後の適切なメンテナンスを怠ると、サイディングに亀裂が入ったり、割れてしまうこともあります。

さらに塗料にもグレードがあり、その効果の持続年数目安には大きな違いがあります。最近多く採用されているウレタン樹脂系やシリコン系塗料の場合、100万円前後(床面積60~100m²の場合を想定。足場設置工事や屋根塗装も含む)のリフォーム費用がかかります。

一般的に、耐久性のある塗料を採用した方が長期的には安上がりと言えますが、定期的な補修やリフォーム計画と予算のバランスを考える方がよいでしょう。
 

外壁の傷みが気になるようなら「サイディング」

重ね張り工法

建物の躯体がしっかりしているのであれば、既存外壁の上に新しく外壁材を施工する重ね張り工法が有効です。張り替える工法に比べ発生廃材も少なくて済みます。

外壁にある程度傷みがすでに生じていて、住まい構造部に水の浸入が疑われるような場合、塗り替えではなく新たにサイディング材を設置するリフォームを検討するのも良い方法です。

サイディング材を施工するには「重ね張り工法」と「張り替え工法」とがあります。「重ね張り工法」は既存外壁を下地として使うため、廃材処分が少なくて済むのですが、構造部の劣化が進みすぎていると荷重に耐えきれず施工することができません。一方、「張り替え工法」は既存外壁をはがし、土台や柱を直接確認しながら、必要な補修や部材を交換することができるため、費用は「重ね張り工法」に比べ少し高くなりますが、住まいを健全な状態に戻すことができます。

どちらも塗り替え工事よりもやや割高になりますが、断熱性や遮音性が向上しエアコン効率が良くなったり、静かな住環境を作りやすくなったりというメリットもありますので、現在の住まい環境を考慮した上で使い分けるべきリフォーム手段と言えます。

【サイディング工事の概算費用】
重ね張り工法の場合 130万~200万円程度
張り替え工法の場合 180万~300万円程度
※標準的一戸建て(床面積60~100m²)を想定。屋根工事は含まず。
 

初期投資は大きいが「タイル仕上げ」も捨てがたい

タイル外壁

外観の美しさ、耐久性に優れたタイル外壁は憧れの建材の一つ。外壁リフォームの際、選択肢の一つとして考えてみてもよいのではないでしょうか。

焼き物の風合いを生かしたタイル仕上げの外壁は重厚感があり、色あせしにくく、美しさが30~40年以上も長持ちすることから、根強い人気がある外壁建材の一つです。

タイル壁にリフォームする場合は、しっかりとした構造部と外壁面が必要になります。最近では軽量化されたタイルおよびタイルの脱落はがれを防止するための工法も確立されていますが、昭和56年6月以前の古い建物では、一般的に構造強度・耐震強度が弱いため、タイルリフォームには不向きとされています。

住まいを長持ちさせるという観点からすれば、住宅全部を包む四面施工が望ましいのですが、予算に合わせてモルタル壁やサイディング壁と併用する形で、住宅正面を含めた二面施工や、部分的にタイルで仕上げるのも住まいのアクセントになります。部分的に構造部補強が大規模になりそうな場合に合わせて、壁面構造を強化し、タイル仕上げを採用するのも一つのアイデアです。

【タイル壁リフォームの概算費用】
部分施工(10m²程度)の場合 30万~40万円程度
二面施工の場合 160万~240万円程度
四面施工の場合 320万~430万円程度
※標準的一戸建て(床面積60~100m²)を想定。既存外壁の補修工事は含まず。
 

実は「断熱性向上」にも役立つ外壁リフォーム

断熱材

断熱材が裏打ちされている建材を採用すると、断熱性の向上も期待できます。外観だけでなく光熱費削減についてもこの際に検討しておきましょう。

外壁リフォームは省エネを考える上でも非常に重要です。サイディング材の中には断熱材があらかじめ充填されているものがあり、建物の寿命を延ばすだけにとどまらず、建物の断熱性能を向上させることができます。また、塗装によるリフォームの場合でも、遮熱効果の高い塗料を採用することで、真夏の日射熱が室内に入り込むのを防ぐことができます。

外壁リフォームを検討する時には建物の劣化状況や見た目の改善だけでなく、このような断熱性能についても目を向け、工事費用だけでなく将来の光熱費や居住性などを考えてリフォームを選ぶようにすると安心です。
 

定期点検は信頼できる業者に依頼

外観が劣化してくる時期になると、いろんな業者が工事提案の訪問をしてくることでしょう。普段からメンテナンスや補修について意識しておけば、彼らの言葉を鵜呑みにすることは防げると思います。できれば付き合いのある信頼できる業者に普段から相談しておき、客観的なアドバイスをもらえるような関係を築いておきたいものです。「外壁がこわれそう」とか「無料で調査します」と言って、突然訪問してくる業者にはくれぐれも注意し、慌てて工事の契約をするようなことはやめましょう。

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