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漢方による耳鳴りの対処法と漢方薬

耳鳴りは中耳炎のように病気の場合もありますが、最近はストレス性の耳鳴りも増えています。西洋薬ではなかなか治らないため、漢方を服用している人も少なくありません。慢性化する前に一度チェックしてみましょう!

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耳鳴りは中耳炎のように病気の場合もありますが、最近はストレス性の耳鳴りも増えています。西洋薬ではなかなか治らないため、漢方を服用している人も少なくありません。慢性化する前に一度チェックしてみましょう!

耳鳴りと関連の深い「腎」と「肝」

その耳鳴りは、ザーッと潮が引いていくような音? セミが鳴くような小さな音?

その耳鳴りは、ザーッと潮が引いていくような音? セミが鳴くような小さな音?

頭の中からジーッ、ジーッ、とセミが鳴くような音がしたり、キーンと高い金属音が鳴ったりと、聴こえ方や音の大きさ、強さもさまざまな耳鳴り。

漢方では、「腎は耳に開きょうする」という言葉があるように、耳は腎機能と深く関連があるとされます。

ここでいう腎とは、泌尿器のトラブルや体液の恒常性を保つだけでなく、もっと広義な働きがあります。漢方では生殖機能をつかさどり、成長発育を担い、生命活動を行う上で一番大事な場所を指しているのです。

腎による耳鳴りには老化が原因のひとつですが、もともと虚弱体質だったり、過労やストレス、セックスのしすぎなどによっても起こります。

また、耳のまわりには肝の経絡、つまり肝のエネルギー通路が多く集まっているため、肝に関係の深い自律神経のバランスの乱れなどによっても、耳鳴りを起こすことがあります。
 

漢方で解く!耳鳴りの代表的な3タイプ

■ 強い精神的ストレスが原因の耳鳴り
漢方では、肝が自律神経のバランスを司っています。過度なストレスによって肝の機能が異常になると自律神経のバランスが崩れ、肝の通り道である肝経絡にもトラブルが生じます。

耳の周りには肝の経絡が多く通るため、ストレスなどによって経絡の流れも阻害され、その結果耳鳴りとして現れたりするのですね。

このタイプはストレスを抱え込みやすい人に多く見られます。現代人に増えているケースともいえるでしょう。

聴力が急激に低下したり、気分によって耳鳴りが出たり出なかったり、高く大きい音の耳鳴りが多い、耳鳴り以外の症状としては、ゆううつ、怒りっぽい、便秘と下痢を繰り返す、わき腹が張る、目が充血しやすいなどがあげられます。

代表薬としては、肝の流れをよくする抑肝散(よくかんさん)や釣藤散(ちょうとうさん)がありますが、このタイプはどうすればストレスをためないですむか、ストレスの根本を経つことが先決でしょうね。

■ 水分代謝異常が原因の耳鳴り
水分代謝が悪くなる原因には、もともと胃腸の働きが悪かったり、飲食の不摂生などがあります。

どちらにせよ、腸が水分をうまく吸収できなくなり、水分代謝が悪化すると、その余計な水分が全身に滞り、耳の働きにも異常が出やすくなるのです。

日本人には水分代謝の悪い方が多く、このタイプはわたしたち日本人にもっとも多いタイプといえるでしょう。

おもな症状としては、梅雨時や台風が近づくと耳鳴りが悪化する、セミが鳴くのような耳鳴り、耳が詰まったような感じ、疲れると耳鳴りが悪化する、食欲がない、めまい、痰が多いなど。

お酒の飲みすぎなどで、体内に余計な湿熱がある場合は竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、普段から食欲不振だったり、めまいや頭痛があるような場合は半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などが適用されます。

漢方薬と同時に食生活の見直しも重要で、脂っこいもの、甘いもの、辛いものを食べ過ぎないようしましょう。休肝日もあるといいですね。

■ 腎機能低下が原因の耳鳴り
もともと虚弱体質だったり、過労や精神的ストレス、加齢などによって腎機能の働きが低下して耳鳴りになるタイプです。年をかさねた人に多いパターン。

具体的な症状としては、小さなセミが遠くで鳴くような耳鳴り、音は小さく低い、静かになると耳鳴りが気になる、過労によって耳鳴りが悪化する、腰やひさが痛い、手足がほてる、めまいがするなどがあげられます。

仕事のしすぎやストレスで悪化するので、ゆっくりと休息をとるといいでしょう。代表的な漢方薬には、腎機能を強化する六味丸(ろくみがん)や、六味丸に柴胡(さいこ)と磁石(じせき)を加味した耳鳴丸(じめいがん)などがあります。


耳鳴りに関しては、西洋薬で確実に改善したり、治癒させることのできる薬はまだありません。まったく無効というわけではないのですが、なかなか西洋医学の治療で治らないので、漢方薬を服用する方が多いのが現状なのです。

慢性化する前の早めの治療が肝心ですが、漢方を試したい場合は必ず漢方の専門家に相談くださいね。

更新日:2009年12月16日

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