感染症/感染症のしくみ・感染経路・予防法・治療法

感染症の予防法

感染症の予防法には、ワクチン接種、マスク・手袋などの個人防護具を使用、予防投薬、その他があります。詳しく解説しましょう。

この記事の担当ガイド

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

感染症の予防法

iv_drip_1.jpg
ワクチンは積極的な予防方法です
日常生活で誰でも感染する機会があるのは、外傷による皮膚からの感染、呼吸器系からの感染と消化器系からの感染ということになります。このうち外傷による皮膚からの感染は傷の洗浄によってある程度は予防する事が可能です。予防方法は大別して以下のようになります。
  • ワクチン接種
     
  • マスク、手袋などの個人防護具を使用
     
  • 予防投薬
     
  • その他、日常的にできる予防法

以下で詳しく解説します。

ワクチン接種で予防する方法

日本での予防接種は法律の変遷もあり、年代により接種されたワクチンの種類、接種の時期、同じ病気に対するワクチンの内容も異なっています。従来ワクチンがなかった感染症に対するワクチンもあります。日本で多くのヒトが接種を受けているワクチンを列挙してみましょう。
  • BCG:BCGはBacille de Calmette et Guérinの略語です。BCGは結核に対するワクチンとして用いられています。
     
  • ポリオ:生ワクチンを経口で飲みます。飲んだ人からは一定期間便中にウイルスが放出されます。
     
  • 三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風):呼吸器感染症を引き起こすジフテリアと百日咳に加えて、傷口から感染する破傷風に対する3種類を含んだワクチンを接種します。
     
  • 麻疹・風疹ワクチン:麻疹と風疹は似た発疹が出る感染症です。単独ではなくて麻疹と風疹の2種類を含んだワクチンを接種します。
     
  • インフルエンザワクチン:A型ウイルス2種類とB型ウイルス1種類の3種を含むワクチンです。毎年、ワクチン接種に用いるウイルス株は異なります。
     
  • 日本脳炎(現在は積極勧奨は中止):豚と人との人畜共通感染症です。ワクチンの安全性に対して再評価中です。

このうちで予防効果が高いと評価されているのはポリオとジフテリアです。麻疹も予防効果は高いのですが、1回の接種だと免疫記憶の持続が悪い場合があるので、2回の接種が推奨されています。海外に赴任する場合は日本では接種されていない病原体に対するワクチン接種を求められる事もあります。

海外での就学に際してワクチン接種の証明を求められる事もあります。日本で接種されている他のワクチンとしては、以下のものが国内で接種されています。
  • インフルエンザ菌b型(予定):インフルエンザ菌b型による髄膜炎を予防するためのワクチンです。
     
  • 肺炎球菌;現在認可されているのは成人用の肺炎球菌ワクチンです。小児を対象としたワクチンが外国では接種されています。将来的には日本でも認可される予定です。
     
  • 水痘:水痘に対するワクチンは通常は接種しませんが家族感染の予防や施設内の予防には効果があるとされています。
     
  • おたふくかぜ(流行性耳下腺炎):以前は麻疹、風疹とおたふくかぜの3種の混合ワクチンが接種されていました。現在は、おたふくかぜは個別接種となっています。
     
  • A型肝炎:海外で水の安全性に問題がある地域に一定期間行く場合には接種が薦められいます。
     
  • B型肝炎<:医療関係では業務上の針刺し感染の予防のために接種が推奨されています。通常は3回接種して抗体ができるのを確認します。性行為感染症によるB型肝炎の予防も可能です。



ワクチンで問題となるのは副作用です。100%安全なワクチンはあり得ません。特に妊娠可能な女性が接種を受ける場合は、例えば麻疹、風疹のような生ワクチン(ウイルスが生体内で増殖できるワクチン)の接種を受けた場合は胎児へのウイルスの移行を考慮して接種後一定期間は妊娠を避けなくてはいけません。

個人防護具による予防

個人防護具というのはPersonal Protective Equipment(PPE)の日本語訳です。具体的にはマスクや手袋やエプロンなどを含んでいます。マスクの着用は呼吸器感染する感染症に対しては一定の効果があるとされています。

高性能なマスクが良いと単純に考えがちですが装着の練習やテストをしないと、高性能なマスクは効果を発揮できないので一般の方には不向きです。医療関係者以外の方には使い捨ての不織紙のマスクの使用をお薦めします。

医療関係では個人防護具の様の手袋としてはラテックスアレルギーを考慮した上でニトリル製の使い捨ての手袋が使用されています。この型の手袋は通常は市販されていません。

一般の方では手袋よりも手洗いが感染予防の手段となります。食中毒の原因となる枯草菌の一種のセレウス菌は机の上や水回りなどに付着しています。手に付着したこの菌を日常的な手洗いでも落とす事が可能ですので食事の用意等の場合は手洗いをお薦めします。

予防投薬

感染症に対して発症を予防するために投薬することを予防投薬といいます。結核に対する予防投与は従来から行われていました。ただし結核の方に接した医療関係者が中心です。服薬期間が6ヶ月と長いので結核について理解している医療関係者でも脱落する方が多いのが現状です。

インフルエンザウイルスに対しても予防投与が有効とされています。治療にも使うタミフルを用いた場合は1日1錠の服薬で有効とされています。ただし新型インフルエンザに対して医療機関が備蓄しているタミフルは患者用ではなくて医療従事者の予防投与用です。そのため通常は患者用とは別の形で薬剤の在庫が管理されています。

その他、日常的にできる予防法

■口腔ケア
口腔ケアは本来は歯周病の予防や口臭予防のために実施します。高齢者では口腔ケアによって、誤嚥による肺炎が減少することが報告されています。また口腔ケアによって高齢者のインフルエンザの発症も減る事が報告されています。

■タオルの共有をしない
外出から帰った時や、衛生陶器を使用後、食事の前、歯磨き後に手を洗う習慣があります。手を洗うこと自体は問題ないのですが、手に残った水分を拭く時に共通のタオルを使用しがちです。タオルを介して微生物が伝播する可能性があるのでタオルの共有は控えましょう。

■清拭
食卓の上を清拭する習慣があります。空中を浮遊していた微生物を拭き取る事になります。問題は布巾を清潔に保つのが難しい点です。布巾が臭いの原因の一つは枯草菌です。枯草菌のうちセレウス菌は食中毒の原因となる菌です。臭いがする台布巾の食卓での使用は控えましょう。

もし感染症にかかってしまった場合の治し方を詳しくご紹介します。
   ⇒感染症の治療法 >>

更新日:2009年04月01日

あわせて読みたい

    この記事を読んで良かったですか?

    良かった

    3

    この記事を共有する