たとえば「ゴルフは痔によくない」という話を聞いたことがありませんか?野球のキャッチャーも、おしりに厳しそうな体勢でプレーをしていますよね。スポーツをすることによって痔になってしまうケースには、どのようなものがあるのでしょうか?今回は「スポーツと痔の関係」について、AJKF全日本キックボクシング連盟公式ドクターをはじめ、格闘技のドクターを務めていらっしゃる、日本体育協会公認ドクターで、「社団俊和会 寺田病院」胃・大腸・肛門病センター長の寺田 俊明先生にお伺いしました。
スポーツ選手には「痔」を患う人が多い?
▼スポーツと痔は関係があるものでしょうか?また、スポーツ選手には痔を患う人が多いのでしょうか?
寺田 俊明先生(以下・寺田:)
「社団俊和会 寺田病院」
胃・大腸・肛門病センター長
寺田 俊明先生
「スポーツ選手に痔が多いかどうか、残念ながら統計的な調査をしたわけではないので、私の経験からお話ししますが、スポーツそのものが直接、痔と関連しているわけではない、ということを最初にお伝えしておきます。
私自身も学生時代は相撲をやっていましたし、K-1やキックボクシングなどの格闘技や、野球・重量挙げなど各種スポーツのトップアスリートたちの診察を行ってきましたが、痔の相談をされるケースはほとんどありませんでした。むしろ、一般の方にとっても痔を予防する、悪化を防ぐという観点から、適度な運動をすることは良いことと思います。」
スポーツによる、おしりの「冷え」を防ぐ
—スポーツを行う際に注意しておきたいポイントが二つあります—
▼ひとつめのポイントは何でしょうか?
寺田:「痔には3タイプ(痔核・裂肛・痔ろう)ありますが、スポーツとの関連性が考えられるのは『痔核(いぼ痔)』と、『裂肛(きれ痔)』です。便秘やいきみが原因で痔核と裂肛が併発することもあります。
痔核(いぼ痔)と裂肛(きれ痔)の悪循環サイクル(クリックすると拡大します)
痔核が発生する原因は、血流の悪化とうっ血にありますが、うっ血を引き起こす要因のひとつが、冷えによる血管の収縮です。腰やおしりを冷やすことや、長時間同じ姿勢を続けることは、おしりに負担をかけ、肛門付近の血流によくありません。
痔核と裂肛の悪循環のサイクルは図のようになります。
また、突然おしりの外側に血まめのような痔核(血栓性外痔核)ができることもあります。
そういう意味では、スノーボードなどのウィンタースポーツ、サーフィンなどのマリンスポーツ、冬場のゴルフなどはおしりが冷えて血流が悪くなる可能性があるので注意が必要ですね。
運動後にはお風呂にゆっくり入っておしりや腰を温めるというケアがとても重要になってきます。
おしりの血流を良くして、うっ血を起こさないようにしておけば、おしりには良いわけです。」
肛門に負荷がかかるスポーツには、注意が必要です>>