文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
住宅を計画する時は、資金・建物の構造・時期・インテリアなど、検討しなくてはならないことがやまほどあります。特に二世帯住宅の場合、“間取り”が気になるのではないでしょうか?家というのは、一度建てたらそう簡単には変えられないものです。できるだけ、満足度の高い二世帯住宅を実現したいものですね。では、どのようなことに注意して“間取り”を決めれば良いのでしょうか?今回は、二世帯住宅を計画する際の『プランニングの進め方のコツ』を、具体的なプラン例を混ぜながらご紹介していきたいと思います。
家族の交流スタイルに応じた間取りを
良い二世帯住宅とは、両世帯の望む“交流スタイル”と間取りプランのバランスがうまくとれていることが大前提となってきます。どうしても、敷地の広さ・建ぺい率など物理的な制約条件を優先させがちです。しかし、この“交流スタイル”を軽視した二世帯住宅では、結果的に不満が残ることにもなりかねません。まず、ふたつの世帯間で「どのような交流をしたいか」よく話し合うことから始めましょう。以下の表は、交流スタイル=「暮らしの分離度」と「建物の分離度」の関係をまとめたものです。話し合った交流スタイルをベースに、適した間取りプランを確認してみて下さい。
両世帯の交流スタイルと間取りプランの対応 |
資料提供:旭化成ホームズ ※画像をクリックすると大きくなります |
例えば、和気あいあいとした交流を望むのであれば、共有スペースの多いプランが、またそれぞれの世帯の独立性を尊重した交流を望むのであれば、分離度の高いプランが最適です。このように、快適に楽しく暮らしていくためには、両世帯が望む“交流スタイル”から間取りプランを発想することが大切なのです。
しかし、現在の希望だけでは不十分です。さらに、将来の交流スタイルも念頭に検討しましょう。家族構成の変化などによって、将来の交流スタイルも変わってくるものです。例えば、子世帯に子供が誕生すれば、両世帯のコミュニケーションの距離が縮まるかもしれません。また、親世帯が高齢化すれば、子世帯のサポートが必要になることも考えられます。さらに息子夫婦同居・娘夫婦同居との交流の違いも反映しつつ、様々な角度から“交流スタイル”について考えましょう。
では、次のページで具体的な例をみてみましょう。