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目のケア・視力回復法

意外かもしれませんが、目にとって最良の目薬は自分の涙です。酷使しがちな目のケア方法と、視力回復法について、解説します。

大高 功

執筆者:大高 功

眼科医 / 目の病気ガイド

自分でできる目のケア

目のケア
酷使しがちな目にできるセルフケア方法とは?
目にとって一番良い目薬は涙です。涙が正常に出ている限りは、特になにもしなくても良いです。

目を洗う薬剤が薬局で売っています。目に入った異物を除去したり、花粉を除去するためには有効と思われます。しかし、目は普段から涙が洗ってくれています。目を洗う薬剤は目の表面の涙まで除去してしまうので、異物や花粉を除去する目的以外には使用する必要はないと考えます。

点眼薬も、特に病気のない方は使用する必要がないと考えますが、病気というほどではなくとも、ドライアイや眼精疲労の強い方は手放せないでしょう。使用する場合、あまり刺激の強いものは避けることをお勧めします。長年の使用で目の表面に障害が起こるケースもありますので。

眼精疲労を軽減するという内服薬に関しては、その作用機序や効果のほどは不明です。正直に言うと、効くのか効かないのか、我々にもわかりません。効果のあるなしに目くじらをたてることなく、全身に良いサプリメントのようなものと考えて内服するのが良いと思われます。

最近はルテインやブルーベリー(アントシアニン)のサプリメントが流行しています。これらの成分は、臨床の現場でも加齢性黄斑部変性症などには一定の効果がありますので、網膜に良いことは間違いないと考えられています。加齢性黄斑部変性症の予防や改善のために内服する、というのがもっとも理にかなった使用法と思います。

視力回復法

まず最も大切な基礎知識として、目の中でレンズの働きをしているものは水晶体だけではありません。角膜が水晶体以上にレンズとして大きな働きをしています。

成人の近視、乱視回復法では、レーシック、フェーキックIOL、白内障手術、オルソケラトロジーがあります。

レーシックはケラトームという、かんなのような特殊なメスで角膜を薄く剥ぎ(角膜フラップ)、角膜フラップをめくり、その下にレーザーをあてて角膜を削り、また角膜フラップをもとにもどすという手術です。

ドライアイや、結膜の慢性充血などでコンタクトレンズが入れられなくなった方はレーシックを検討されると良いと思います。私も30代前半にドライアイでコンタクトレンズが入れられなくなったためにレーシックを受けております。その後快適に過ごしております。

逆に、コンタクトレンズや眼鏡で全く問題なく過ごせている方は、無理に受けられることはないと思います。

レーシックは、角膜を削ると角膜が薄くなりすぎて将来変形のおそれがある患者さんには施行できません。

・もともと角膜の薄い人
・角膜は薄くないが、近視が強いためにたくさん削らなければならないので、厚さが足りない人

は、レーシック不適応となります。このような患者さんにはフェーキックIOLが適応となります。フェーキックIOLは、眼内にレンズを入れて屈折を変化させる方法です。

近視を治したいが白内障もある場合、白内障手術を施行するのがもっとも合理的な選択と思われます。入れる眼内レンズの度数を適切なものを選ぶと、近視を大幅に軽減することができます。ただし、眼内レンズは目の形状を専用のコンピューターで解析して、あなたの希望の度数にするにはこのレンズ、という具合に選び出すのですが、結果が希望の度数とずれる場合があります。特に近視の強い方は大きくずれることがあります。また、乱視は治りませんので、ある程度近視が軽減すればうれしい、程度に考えておかれることをお勧めします。

オルソケラトロジーは、寝ている間に特殊なコンタクトレンズを装着することによって角膜を変形させて、その変形が持続する間、近視を弱くできるという技術です。

幼少時の近視回復法としては、
1.眼科での視力回復トレーニング
2.民間の視力回復センター
3.眼科での点眼の処方
の3つがあります。

1と2は基本的には遠くのものを見ることによって近視を回復させる、というものです。眼科医院では3も併用することが多いと思います。これらは完全には近視状態に目が変形していない方(いわゆる仮性近視)には有効と思われますが、近視状態に目の構造自体が変化している場合(いわゆる近視)の方では効果が出づらいと考えます。

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