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身体のセンサーに異常アリ?女性に冷え性が多い理由

寒い季節でなくても寒さを感じてしまう冷え性。皮膚のセンサーや視床下部などの体温調節機構がうまく働かないと起こります。詳しくご紹介しましょう。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

冷え性がおこるしくみ

暖かい季節でも女性を悩ませる「冷え」。なぜ女性に多いのでしょうか?

暖かい季節も寒い季節も女性を悩ませる「冷え」。なぜ女性に多いのでしょうか?

冷え性とは実際の暑さ寒さに関わらず、異常に冷えを感じてしまう状態のことと言えます。

自然の気温は夏と冬では30℃近く違いますが、人間には体温を36~38℃の一定の温度に保つ恒常性があります。この体温調節は、主に3つの仕組みで行われています。

  1. 皮膚にあるセンサーで「寒い」という感覚をキャッチし、「寒い」という感覚を脳に送ります
  2. 脳の視床下部という所から、ホルモンや自律神経を介して全身の器官に寒さに負けないよう体温を保つ指令が出されます
  3. 体の各器官で熱を逃がさないような反応や熱を産生する反応が起こります

具体的には、皮膚では血管が収縮して熱を逃がさないようにしますし、カラダの中では蓄えられた糖質や脂肪を燃やして熱を作ろうとします。その熱で温まった血液が全身を循環することによってカラダが温まるのです。この3つの仕組みのどれかが狂ってしまうと、手足などの異常な冷え、つまり「冷え性」が起こってしまうのです。

冷え性の3つの原因

もちろん寒いところにいれば体が冷えますが、これは冷え症とは別のものと考えてください。冷え性の原因となる体の異常について、具体的に解説します。

■皮膚の温度センサーの異常
例えば、冷房や暖房が強く効いた室内と温度差のある屋外を行き来するうちに、センサーが混乱してうまく働かなくなってしまうことがあります。きつい靴を履いたり、合ってない下着をつけることを繰り返すうちに、皮膚の感覚が鈍ってしまうことも考えられます。

■視床下部の異常
視床下部はカラダを一定の状態に保つ司令塔ともいえる部分です。体温調節だけでなく、自律神経のコントロール、睡眠や食欲、女性ホルモン分泌などにも深く関係しています。つまり、視床下部に影響を及ぼすものは冷え性の原因になりいます。例えばストレス、自律神経失調、月経異常、更年期、出産など女性ホルモンの分泌が劇的に変わる時、睡眠不足、などなどですね。

■血流が悪い、熱をうまく産生できない

貧血(血液の量が少ない)、低血圧(血液を全身に送る力が弱い)、ずっと座っている、立っているなどの仕事で腰から下がうっ血しやすい、動脈硬化が進んで血管が細くなるなどの血流の異常も冷え性の原因になり得ます。

また、熱を効率的に賛成するのは筋肉なので、筋肉がないと冷えやすくなります。ダイエットのしすぎ、ビタミン不足も熱産生がうまくいかない原因の一つです。

筋肉量が少ない女性は男性よりも冷えやすい

筋肉が多いほど熱を産生しやすいといわれています。男性より女性のほうが筋肉量が少ないため、冷えやすいと考えられます。さらに、女性の方がスカートなど体を冷やしやすいファッションをしやすいことも一因。さらに、変動しやすい女性ホルモンの影響を視床下部がもろに受けやすいというのも、女性に冷え性が多い原因と考えられています。

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