文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
高齢社会を迎えつつある現在、親を介護する立場としても、介護される立場としても、介護は避けて通れない課題です。そこで今回は、この“介護”に焦点をあててみます。介護する子世帯の気持ち・介護される親世帯の期待をはじめ、介護に対する意識の変化や、介護と相続に対する意識など、二世帯同居の親世帯・子世帯の方々にアンケートした結果からお届けします。
親の介護について~子世帯の気持ち
まずは、親世帯の老後について、子世帯に「何をしてあげたいか」について訊ねた結果が以下のグラフです。息子夫婦同居・娘夫婦同居別に集計しましたが、いずれも項目に大きな差はなく、話し相手・身の回りの世話・看病や介護など、生活面のサポートが高くなっています。Q:同居の親世帯の老後に何をしてあげたいか? |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きく表示されます |
数値で比較すると、生活面でのサポートについては、息子夫婦同居より娘夫婦同居の方が全体的に1割程度、高くなっています。やはり、妻の親との同居である娘夫婦同居の方が、生活面で深く関わろうという傾向がうかがえます。
親世帯の気持ち~子世帯への期待
では、親世帯は実際どのような期待をしているのでしょうか?実の子・実の子の配偶者それぞれに分けて、何を期待するかをお伺いしました。Q:同居している実の子に何を期待しますか? |
Q:同居している実の子の配偶者に何を期待しますか? |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きく表示されます |
全体的にはやはり「話し相手、相談相手」が多く「身の回りの世話、介護」の期待は減ってきています。また経年変化で見てみると、特に息子夫婦同居の配偶者=子世帯妻(嫁)への期待値がはっきりと減少傾向を示しています。「嫁なら親の面倒を見るのは当たり前!」という考えは、親世帯の方にも少なくなっているということですね。
では、どのような介護方法をイメージしているのでしょうか?次ページでご紹介します!