睡眠/眠気のコントロール法

快適な睡眠に効く7つのポイント(2ページ目)

厚生労働省は、より充実した睡眠のためのガイドラインを発表しています。その中の「快適な睡眠のための7箇条」を実践できれば、体と心の病気の発症や悪化の予防に役立ちます。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

睡眠は人それぞれ、
日中元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター

快眠女性
快眠の第1歩は、自分の眠りを知ることです
年齢によって、必要な睡眠時間は大きく変化します。一般的な睡眠時間は、10歳代で8~10時間、20~50歳代は6.5~7.5時間、60歳代以上で平均6時間弱と言われています。

若年者ほど日中の活動が活発で、その回復のために長時間の睡眠が必要です。一方、高齢になるほど心身の活動量が減るため、長い時間、眠らなくてもよくなってきます。

心身が必要とする睡眠時間は個人差が大きく、同じ人でも疲労の程度などにより変わってきます。平均的な睡眠時間は参考程度にして、自分に必要な睡眠時間とパターンを知り、それに合わせてグッスリ眠ることが大切です。

朝、目が覚めても寝床でダラダラ過ごしていると、熟睡感が減ることがあります。これは、無理に長時間眠ろうとして浅い眠りが続くと、かえって睡眠の質が低下するからです。あらかじめ決めた時刻がきたら、サッサと寝床から出てしまいましょう。

睡眠障害は夜だけの問題と思われがちですが、実は、昼間に不都合が起きています。夜、グッスリ眠れるかどうかも大事ですが、日中に思い通りの活動ができていれば、寝不足を感じていても大きな問題ではありません。日中の元気はつらつは、快適な睡眠のバロメーターというわけです。

快適な睡眠は、自ら創り出す

乾杯

眠る前のアルコールは、ほどほどに

就寝前にカフェインを摂ると、脳が興奮状態になって寝つきが悪くなります。コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲み物は、寝床につく4時間前までにしておきましょう。


ちょっと気付きにくいですが、栄養ドリンクやコーラ、チョコレートにもカフェインが含まれています。これらを飲んだり食べるときにも、注意が必要です。


夕食と一緒に適度のアルコールを飲むと、リラックスして眠りやすくなります。しかし、睡眠薬代わりの寝酒は、ほどほどにしておきましょう。少量のアルコールなら寝つきが良くなりますが、量が過ぎると睡眠の質を悪くしてしまうことがあります。

アルコールの働きによって眠りが浅くなり、途中で目覚めたり、熟睡感が得にくくなります。また利尿効果のため、トイレに行く回数も増えます。アルコールを連用するうちに、同じ酒量では寝つけなくなり、アルコール依存症となる危険性もあります。

睡眠薬を飲んでいる人が飲酒すると、薬の作用が強まったり、記憶障害やふらつき、尿失禁などの副作用が出ることがあります。絶対に、一緒に飲まないでください。睡眠薬と飲み合わせの悪い薬は他にもありますから、薬の説明書をよく読むか、主治医に相談してチェックしておくことも大切です。

快適な睡眠のためには、寝室や寝床の環境を整えることも欠かせません。「理想的な寝室を作る! 光と音のテクニック」などを参考にして、自分に合った睡眠環境をコーディネートしてみてください。

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