誰もが食の知恵を持てる時代へ
現在の日本では、農業の担い手が減りつつありますが、「私たちが生きる上で欠かす事のできない食べ物を作る仕事は大切にされるべきだし、今後食料問題が深刻になると、農家という存在はヒーロー的存在というか、より注目を浴びてくるでしょうね」と言うと・・・、
「農業の大切さが伝わるのは嬉しいのですが、行き過ぎて『僕だけが作れる野菜』っていうようなヒーローには、なってはいけないと思うんです。地域や、一人ひとりの生活者が、それぞれにその土地の野菜のことや食文化をよく知っている、知恵や技術をもつことが大切でしょう?」とさらりと言われてしまいました。
確かに、ヒトも生き物として、本来何を食べればいいのか知っているはず。そして生き抜くために、食の技や知恵を伝え続けてきたはずなのですが、便利になったり、モノが豊かになったために、随分生きる力が低下してしまっています。一人ひとりの生きる力をもっと高めていけるようにしたいものです。
でも、「食や農に対する意識を変えて行くことはたいへん難しいことだなと、自分自身のことを考えてもつい悲観的になってしまいます」と言うと・・・。
「確かに、今僕がしていることは、すぐに結果が出ることはでなくて、もしかして僕が死んでしまってから結果が出るのかもしれません。今の時代は何でもすぐに結果をもとめすぎるんじゃないかと思います。ゆっくりゆっくり伝わるものだという意識で取り組むことも大切じゃないですか? 僕は、楽観的かもしれないけれど、これからどんなよい時代になるかなーって、めっちゃ楽しみです。」と、明るい笑顔で、答えてくれました。
まだ25歳なのに、なぜこの人はこんなに落ち着いて、ゆったりとしていられるのだろう。おじいさんからお父さんやお母さん、そして忠清さんへと、きちんと生きる力を受け継いでおられることとその自信、そしていつも畑で命とむき合っている環境に育まれた感性なのか・・・。
北野さんとお話して、「日本の将来にも希望はある!」と感じられ、おおいに励まされました。私も、もっともっと大切に食べ物を作ってくださる方たちの思いや、食の知恵を伝えていくお手伝いをしていきたいと思います。
泉州水なす 北野農園
農園の日記