近年、伝統野菜はブランド野菜としてだけでなく機能性でもたいへん注目されていますが、現在の日本の社会が抱える健康や環境、食料などの問題を改善するためには、日本人の伝統的な食のスタイルや知恵の中にたくさんのヒントがあり、今の暮らしにも活かせるものがあると、私は考えています。
そのヒントを求めて、
特定非営利活動法人 浪速魚菜の会(以下、浪速魚菜の会と記す)代表 笹井良隆さんにお話をうかがいしました。
良質な浪速の伝統魚菜の普及を目指す「浪速魚菜の会」
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| 8月のイベントでおみやげにいただいた原種の瓜。金沢の伝統野菜である加賀太キュウリの原種となったとみられているとか。加賀太キュウリは、もう少し両端が丸い形です。 |
「浪速魚菜の会」は、良質な浪速の伝統魚菜を広く普及させる活動をされています。これまでも料理人の方や生産者、流通など専門分野の方が研鑽されてきました。
特に昨年は、より広く「伝統魚菜」を知ってもらおうと一般の人を対象に、毎月1回1年かけて、四季折々の浪速の食材を食べ尽くそうという主旨で、「大阪を食べる2008」が開催されました。
今回は、何をどのように伝えておられるのか具体的にお伝えするため、2008年9月21日に行われた第5回「泉州の食文化と大阪の川魚」の内容をご紹介したいと思います。
・清杯/熟成純米柚子酒
今回は1:1の割合で純米酒と柚子果汁を併せました。柚子は、箕面市北部の止々呂美地区産。今から半世紀前に、柚子が栽培されたそうで、昼夜の寒暖差が味に深みを与え良質の柚子が収穫されています。
・小菜/じゃこ香子
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| じゃこ香子 |
じゃこエビ(アカエビ)という小さなエビの頭を外してだしをとり、古漬けのお漬け物(大阪では「香子」という)を塩だしして炊いた料理。長く漬かりすぎたお漬け物も、またひと工夫しておいしく食べる、無駄にしない始末の心が現れた一品です。
・寄皿/石川早生芋の衣かつぎ、ごより大豆煮、めごち唐揚げ、干し勝間南瓜チップ
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| 今月のテーマ「泉南」の食材が盛りだくさんに。 |
9月はお月見の季節ですので、お月様にちなんで衣かつぎ。石川とは、石川県ではなく大阪府富田林を流れる石川。舌触りが滑らかで旨味が強いです。
「ごより」とは、テンジクダイのこどもや干したエビのことで、ダイズと煮るのは岸和田の郷土料理。骨せんべいは、おいしく食べて骨などのアラも、そして栄養も無駄にしない食べ方です。
・旬割鮮/泉南沖 うおぜ焼き霜 梅醤油添え
身の薄い魚ですが、泉南でとれた新鮮で脂ののったものを贅沢にお造りでいただきました。
・煮物/じゃこだし汁 加茂瓜
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| 一般によく見る冬瓜は琉球種。こちらは京都の伝統的な冬瓜です。 |
加茂瓜とは、京都最南「加茂」地区で栽培された冬瓜。熟すと果皮に白い粉が吹きますが、消費者が農薬がついているのではと勘違いされてしまい不人気なのだそうで、市場では、白くならない琉球種の冬瓜が主流になっています。
・椀物/芋と月見団子 清汁
お月見にちなんで小芋と月見団子いりの汁物です。少し甘味が効いて、お芋や団子にあいます。
・焼魚淀川の天然鰻
淀川と言えば大阪の象徴的な河川ですが、ここで鰻がとれるとは全くしりませんでした。近年は水質もよくなっているそうで、シジミもとれるそうです。
・明治期惣菜の再現/へちま田楽、きざみ昆布揚げ
へちまは、食用でもあることを再認識。中はとろとろに柔らかく、種まで違和感なくいただけました。
・ご飯 まぜ鮨
だんじり祭りの頃に食べられるいろいろな素材を混ぜ込んだお寿司。
・香物 馬場茄子の古漬け
・茶菓 勝間南瓜 白玉くるみ餅