伝統と格式のあるホテルでフレンチのコース、と言えば当たり前ですが、もしそのコースを食べても総エネルギーが360kcalという超低カロリーだったら? ちょっと信じられませんよね。今回は、そんな「スリムラインフレンチメニュー」を提供されている、大阪・中之島のリーガロイヤルホテル「ダイニング&カフェ ナチュラルガーデン」をお訪ねしました。
老舗ホテルの自然派レストラン
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ダイニング&カフェ
ナチュラルガーデン
(リーガロイヤルホテル1階) |
大阪・中之島の
リーガロイヤルホテルは、70年以上にもわたって国内外の賓客が利用される伝統と格式を誇るホテルであると同時に、21店を数えるレストラン&バーや、屋内スイミングプール(ホテルとしては国内最大級)、世界のトップブランドが軒を連ねるショッピングアーケード、ホテルテイクアウトショップ、文化教室など、機能性やエンターテイメント性に満ち、まさに洗練された大人のための街のようです。
老舗ホテルの自然派レストラン
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ヘルシーな「スリムラインフレンチメニュー」を開発・調理を担当されているリーガロイヤルホテル
料理特別顧問 宮川榮治さん |
そのリーガロイヤルホテルの1階にある
「ダイニング&カフェ ナチュラルガーデン」は、緑溢れる庭園に囲まれ、開放感のある気持ちのよい自然派レストランです。こちらでは、旬の素材、特に野菜は産地や栽培方法まで吟味され、大地のエネルギー溢れる料理が楽しめます。
「ナチュラルガーデン」では、季節の素材を生かした様々なお料理やコースが用意されていますが、私が今回いただいたのは、「
スリムラインフレンチメニュー」。コースでわずか360kcalという低カロリー、しかも塩分は2.2gというヘルシーなお料理です。
東京・早稲田の
リーガロイヤルホテル東京でも360kcal、塩分2.2gの「スリムラインフレンチコース」を提供されています。(メニューは、大阪とは異なります)
食事制限のお客様にも楽しめるコース作り
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リーガロイヤルホテル 営業企画部広報ご担当
高田 宏部長と竹下 裕子さん |
お料理ができるまでの間、営業企画部 広報ご担当の高田宏部長と竹下裕子さんにお話を伺いました。
南 ホテルのお料理、しかもフレンチですと、豪華で高カロリーなイメージがありますが、この低カロリーなコースを提供されるようになったのはどういうきっかけからですか?
高田 このコースのきっかけは、「知食の会」という団体から、料理のご依頼をいただいたことなのです。この会には、糖尿病で厳しい食事管理が必要な方が多くおられて、そのような方々が安心してフランス料理や懐石料理の食事をできるように活動されている非営利団体です。この「知食の会」の1999年第23回目の料理を当ホテルで担当させていただいたわけです。
この「知食の会」のための料理には、
・フルコースの総エネルギー量が360キロカロリーであること。
・ 使用する食塩の総量が2.2グラム以下であること。
・ 食材は全て無農薬で、原則として旬のものであること。
・ 美しく、かつゴージャスな感じのする料理であること。
・ 美味しく、満腹感があること。
というような規格があり、すべてをクリアしなければなりません。おかげさまで「スリムラインフレンチメニュー」は、「知食の会」でもたいへんに好評をいただきましたので、ホテルの一般のお客様にもご提供するようになったのです。
どんなお客様にも満足されるおもてなしを
南 食事制限をされている方のために開発されたメニューだったのですね。カロリーだけでなく塩分も低いということで、糖尿病だけでなく循環器系の病気や腎臓病などで、塩分が気になる方にも安心できるお料理ですね。
高田 食事制限をされている方は、「カロリーや塩分が心配だから」と、外食をあきらめておられる方も多くいらっしゃるのです。この「スリムラインフレンチメニュー」ですと、かけそば1杯程度のカロリーですし、塩分も2.2g以下ですから、安心して召し上がっていただけます。
南 糖尿病や循環器の病気を抱えて食事制限をされている方だけでなく、女性などダイエット志向の方にも喜ばれるでしょう。私も40歳を超えてから急に代謝が落ちたことを実感していますので、低カロリーなコースがあればうれしいですから。
竹下 私が以前研修で「ナチュラルガーデン」でサービスに入っていた時のことですが、女性グループのお客様たちが「スリムラインフレンチメニュー」を召し上がった時に「まぁー、おいしい!」と大きな歓声が上がりました。お客様は、低カロリーで塩分も少ないということで、味気ない料理を想像されがちなだけに、ギャップが大きかったのだと思います。
高田 このレストランのお客様の中でも、お食事の後血糖値を測定されている方をお見かけします。食事制限されている方は、ある意味命をかけて食事をされておられるのだな、ということを感じました。
ホテルは、日常とは異なる特別な場です。例えばお祝い事でお食事をされる時などに、この「スリムラインフレンチメニュー」があることで、健康に不安のある方も、ご家族とご一緒に安心して食卓を囲むことができる。私たちは、お客様にそんな場を提供したいと思っています。
南 どのような状況のお客様の気持ちも汲み取って満足いただけるようなおもてなしを、というリーガロイヤルホテルさんのホスピタリティの現れですね。とはいえ、お料理を考えられたシェフは、たいへんなご苦労を重ねられたのでしょうね。
竹下 シェフから詳しいお話はあると思いますが、塩の使い方は独特ですし、タマネギ一つにも形が平らで肩が盛り上がった甘みの強い品種にこだわり、またフレンチの様々な調理の手法を駆使して、自然の旨味を引き出すように工夫されています。
南 ますます期待が高まりますね。ではお料理をいただいてみたいと思います。
ホントに360Kcal?「スリムラインフレンチメニュー」
■前菜
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スモークキングサーモンとタラバガニのブール仕立て イクラ添え
彩り野菜散らし 赤いピーマンとバジルの香りのソース
(140.0kcal)
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カラフルな彩りが楽しいですね。塩分の少ない味を想像していましたが、よい加減で効いています。また塩少量をかけると、味にムラができそうなのに、どこを食べてもおいしいのです。これには驚きました。
小粒のイクラを、まぶして食べる塩分のバランスも、きちんと計算されています。サーモンとタラバガニのブールの下にしかれているのは、ブロッコリーとコンニャク。ブールの中にも、野菜が入っていて、ボリュームもたっぷりです。
■スープ
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キノコと五穀のごはん入り温かいコンソメスープ
(小さなキャセロール入り)
(54.0kacl) |
フレンチらしいスープですが、近年人気の雑穀が入り、プチプチと食感に変化が出て楽しいです。すっきりと品があるけれど、しっかりとお肉のよいだしが効いて、充足感があります。
■メインディッシュ
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新鮮オマール海老とホタテ貝のオーブン焼き
エキゾチックな野菜のソース
にぎやか緑野菜添え
(11.0kacl)
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殻付きオマールのボリューム感のある一品。ソースは、なんと「鰹と昆布だし」ベースだとか。オマールやホタテ貝の旨味と鰹・昆布の風味が合い、旨味や香りが凝縮されている感じです。りんごなどの果実酢で華やかな酸味もあります。
プリプリっとしたオマールの身は、新鮮なものを吟味されているのがわかります。油を使わず天火でさっと軽めに火を通しているので柔らかく、あっさりといただけます。
■デザート
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洋梨とフルーツトマトの白ワイン風味のコンポート
ゼリーソース
(43kcal)
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フレンチのデザートは、生クリームやチョコレートなどを使うものが多く、カロリーを抑えるために、シェフがたいへん苦労されたそうです。
これがフルーツトマト?というくらい立派なサイズ。よくある糖度の強い味というより、トマトの旨味をしっかり閉じ込められている感じです。洋梨の自然な甘みとうまく引き立てあっていると思います。
■コーヒーまたは紅茶(2kcal)
糖分を加える場合はラカント(0kcal)を使用
これだけいただいて、総カロリー358.2kcal、塩分2.2gです。パンも用意されていますが、これはコースのカロリーには含まれていません。計算しやすいように、パン1つ80kcalで作られ、パン2個食べても、500kcalあまり。味わいだけでなくボリュームや見た目の美しさでも十分に満たされ、舌にも目にも、おなかにも嬉しいごちそうでした。
「スリムラインフレンチメニュー」を担当されている宮川シェフ(料理特別顧問)に、低カロリー・減塩のコースの秘訣についてお話を伺いました。
フレンチのだしを煮詰める手法で旨味をプラス
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| 宮川榮治シェフは、「スリムラインフレンチメニュー」の開発にあたり、糖尿病についてかなりお勉強されたそうです。 |
南 「スリムラインフレンチメニュー」は、低カロリー、減塩がテーマなので、正直言って食べる前は、味気ないのではないかと思いました。見事に裏切られて、「参りました」という印象です。このコースを開発されるにあたって、どんなところを工夫されましたか?
宮川 そもそも初めは、「知食の会」のために考案しましたので、会の規格でエネルギーは360gキロカロリー、塩分は2.2gに抑えなければなりません。一般的なフレンチのコースですと、やはり1000キロカロリーは超えてしまいますから、たいへんなことでした。今でこそだいたいの目安がわかりますが、当初はしょっちゅう管理栄養士さんのところに行っては計算していただくことの繰り返しでした。
例えばこのコースで使っているオリーブオイルは、一人分1c.c.なのです。オイルの旨味を補うために、コンソメを煮詰めたり、鰹や昆布だしを煮詰めたものを加えて旨味を際だたせます。フレンチは、素材から出ただしを煮詰めるテクニックをよく用いますからね。
南 なるほど、そういうところにフレンチの調理法がうまく活用されているのですね。
限られた塩は、塩水を作り刷毛で塗る
南 私が、一番感激したのは、塩分です。 2.2gというと、本当に少ない量です。普通に考えて、塩を軽くふったりすると、塩加減にムラができたりするものだと思いますが……
宮川 オマールやホタテ貝柱から出る塩分もありますので、調理で使える塩は1gです。1gを計りうまく使うことは熟練した料理人でも、なかなか難しいことです。ですから私は、塩水を作って使うのです。1人1gですが、10人10gの塩を100ccの水に溶かします。
これは90ccではうまく溶けない、また120ccではちょっと頼りない。10gに100ccの水で溶かすのが一番うまくいきます。こうすると、1人10ccずつの塩水ですから、これはけっこうな量になります。これをハケで塗るのです。
南 なるほど、塩水をハケで塗る。目から鱗のようです。だから味がムラなくおいしかったのですね。しかも舌に直接あたる素材の表面に塗ることで、少量であっても塩味が感じられるので、満足感が得られるわけですね。これは、塩分を制限されている方がご家庭で調理する場合でも、たいへん参考になる方法です。
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| 緑に囲まれた空間も、心地よいお食事の味付けになっています。 |
宮川 「スリムラインコース」を食べていただくお客様には、私がテーブルでカロリーや塩分を抑えるための調理法についてご説明しますので、安心していただけるようです。
ホテルの近くには、総合病院がいくつかあり、お客様の中にも血糖値や塩分を制限されている方がいらっしゃいます。ご家族で食事にこられても、制限されている方は、どうしても半分食事を残されたりします。
私は、料理人として、残されるのはやはり悲しいのです。食事制限があるお客様にも、すべて食べきっていただける、そういう料理をご提供することが、私のこれからのライフワークとしたいと思っています。どうしてもカロリーを考えると魚介類のメニューが多いのですが、今後は牛肉なども使って、どんどんメニューのバリエーションを広げていきたいです。
南 これからも、リーガロイヤルホテルらしい、おいしくてしかもヘルシーなフレンチメニューを提供してください。今日はお忙しい中、ありがとうございました。
近年、健康やダイエットに役立つ食事法が注目されていますが、宮川シェフは、50年にわたって培った料理人としての知恵やテクニックを駆使しながら、こんなにもヘルシーでしかもホテルの料理としての品格を備えたお料理を作り上げられました。
伝統的な料理を守るだけでなく、新しい課題にもチャレンジされる姿勢や、食やお客様を大切に想う心に触れ、一流と呼ばれる「料理人」や「ホテル」の魅力を知ることができたように思いました。
「スリムラインフレンチメニュー」は360kcalメニュー(5,775円 税・サービス料込み)と、480kcalメニュー9,240円(税・サービス料込み)があります。ご紹介したコースは月ごとに別メニューに改訂されます。
・ 2日前までの予約が必要です(1名から可能)。
・ 予約・問い合わせは、TEL 06-6448-1121(代)
詳しくは、リーガロイヤルホテル1階 ダイニング&カフェ ナチュラルガーデンまでお問い合わせください。
リーガロイヤルホテル
住所 大阪市北区中之島5-3-68
TEL 06-6448-1121(代)