食と健康/食と健康の基礎知識

サプリメントとのつき合い方

現代人の健康食品への関心度は高まるばかり。サプリメントは数千億円市場とも言われるほどの人気です。その一方で健康被害件数も増加中。サプリメントとどうつきあえばよいのでしょう。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

サプリメントとは

一般に「サプリメント」とは、英語で「補給」の意味。毎日の食事で不足しがちなビタミンやミネラルなどの栄養素を補う、健康を維持するための食品を「サプリメント」または「栄養補助食品」と呼んでいます。

財団法人 日本健康・栄養食品協会によると、現在健康食品を定義する法律などはなく、一般的に保健、健康維持の目的で用いられ、通常の食品とは異なる形態の粒状、カプセル状などの食品と考えられています。

欧米では新しい食品のカテゴリーとしての認識が広まり、食べ物として以外のファンクション(機能)を持つ食品(サプリメント、特定保健用食品、医薬部外品など)は「ファンクショナル・フード」と呼ばれています。
 

まずは食生活を見直しが優先!

確かに現代人は忙しく、食生活も乱れ、ストレスも多い。また野菜も、昔の露地栽培のものと比べてハウス栽培のものは栄養価が低くなっています。人間を取り巻く環境もストレスが多いため人間の免疫力そのものが弱くなっていることも否めません。

例えば、疲れて口内炎ができた時など、ビタミンCをとって休めば治ることもあります。もしもガンになれば、わらにもすがることもあるでしょう。このように一時的、非常時に使用するならいいでしょう。けれども、毎日の食生活が不規則だからと、その生活を改善せずに、サプリメントさえ摂ればOKと、安易に常用するという使い方には抵抗があります。

また「ビタミンC」のサプリメントは、レモンのビタミンCと化学式は同じでも化学合成されたものがほとんど。また天然由来成分で作られたものでも、単独の成分を濃縮しているので、やはり一般の食べ物と同じとは言えません。

また今の時代は、口に入れる食品のカロリーや栄養成分にとらわれすぎているところがあると思います。成分表にあるデータはあくまで見安で、どれだけの量が吸収されたかは個人差があると考えた方がよいと思います。

とはいえなかなか食事もままならない多忙な現代人ですから、あえて使うなら、せめて次のことは頭にいれておいてください。
 

3つに分類された健康食品

健康食品はどんなものを選べば良いのかわかりにくいという消費者の声に対応し、厚生労働省が2001年から新制度をスタート。「健康食品」を三つに分け、基準を設けましたので、健康食品を選ぶときの目安にしましょう。

・特定保健用食品
健康に効果があると科学的実験で証明された食品。厚生労働省が個別に審査し、具体的にその効き目を表示することが許可されます。「トクホ」マークが目印です。

疾病リスク低減表示を認める特定保健用食品と、許可実績が充分にあるなど化学的根拠が十分にある場合、審議会は通さずに事務局で審査する規格基準型特定保健用食品。そして特定保健用食品の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として、許可対象と認める条件付き特定保健用食品があります。

・栄養機能食品

ビタミンやミネラルなど、国が基準と定めた栄養素を一定量含んだもの。直接的な効果は保証しませんが、含まれている栄養素の働きを表示できます。また、1日の摂取目安量や注意事項を表示しなければなりません。

・一般食品
特定保健用食品・栄養機能食品にも属さないもので、特別な定義はありません。栄養成分の表示のみで、効果等は表示してはいけません。分類上は、野菜や果物と同じ、一般食品とみなされます。
*特定保健用食品と栄養機能食品わあわせて、保健機能食品と呼びます。
 

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