介護施設・老人ホーム/特別養護老人ホーム・介護老人保健施設

花マル特養の探し方

お年寄りの終の棲家となる特別養護老人ホーム。居心地よく、しかも安心できる施設選びのポイントとは?NPO法人「サポートハウス年輪」を主宰する安岡厚子さんに伺いました。

執筆者:西川 敦子


迷っていませんか?施設探し


特別養護老人ホーム。別名、指定介護老人福祉施設。対象となるのは要介護と認定された高齢者で、終身利用が可能です。さまざまな理由で在宅介護ができない家庭にとっては、まさに助け舟といえるでしょう。けれど入所待ちは50人、100人はざら。文句を言っている場合ではない、というのが待つ側のホンネかもしれません。とはいえ、入った施設によってお年寄りのその後の人生には、天と地のひらきが生まれてしまいます。


西東京市市会議員、安岡厚子さんはこうした介護問題の盲点と取り組むひとり。実態を知るため、自らも特養に「潜入」就職、数年間勤務した経験を持つといいます。議員職のかたわら、介護サービス・ネットワークのNPO法人「サポートハウス年輪」を主宰。現場と行政、双方の視点を持つ安岡氏に、特別養護老人ホームを選ぶポイントについて、アドバイスしていただきました。


家族のエゴに陥らない特養選びを
「施設選びには本人より家族の視点が優先しがち。新しくてきれいならそれでいい、といった風潮がありますが、お年寄りには見た目などたいして重要でないことが多いんです」。たとえばホテルのツインルームを思わせる、立派な居室。内装も高級感あふれ、ベッドの周りには病院めいたプライベートカーテンもない――。


「以前、いわゆる高級老人ホームの中にはカーテンは美観を損ねるからと取り付けないところも少なくなかったんです。しかし毎日生活する本人にとっては、単にプライバシーなき過酷な空間にすぎません」。見知らぬ施設に入所させることについて、家族側は多かれ少なかれ罪悪感を抱いてしまうもの。そこでつい、「せめてきれいなところを」と考えがちですが、自分たちのエゴに陥らないよう、実質的な点をきちんと見定める必要がありそうです。


まず、「見学を許可してくれるかどうか」。事前に見学を願い出て、拒否されたとしたら何か理由があると考えてよさそうです。慢性的に人手が足りなくケアが手薄である、といった場合も考えられます。さらに許可されたとしても「見学時だけ事務職員などをスタッフに仕立て、人員を水増しするという悪質なケースもありますから」と安岡さんは指摘します。
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