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心停止では遅い? 間違いだらけのAED知識(2ページ目)

AED(自動体外除細動器)があれば、心停止した人を救えるという誤解があります。脈が触れない時に、電気的に異常な心臓を元に戻すことは可能ですが、停止した心臓を再度動かすことはできません。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

細動の心電図は不規則な波

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心室細動の心電図は不規則な波の状態!
除細動器が元に戻す事ができるのは、基本的には「心室細動」という状態です。この状態では、心室が一つのポンプとして機能していません。そのために頚動脈を触れても脈を感じ取ることができません。細動の状態であるかを確認するには、心電図を取る必要があります。映画でも細動状態の心電図を見せて、除細動すれば良いのでしょうが、それでは画面に乱れた心電図が出て、盛り上がりに欠けるので嘘の画面を流している可能性が高いです。

AED(自動体外除細動器)=自動心電解析器+除細動器

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AEDは簡易心電図解析後に除細動を行います。
AED(自動体外除細動器)は、一つの機械で心電計、心電図解析、除細動を行う事を自動化した装置です。操作手順書を読めば、多くの人が扱う事ができるように開発された装置です。電極を対象者の胸に貼るところと、細動状態でない場合は電流を流さない仕様は共通です。ただし操作ボタンは機種により異なっていて統一はされていません。

AEDの対象とならない場合は、心肺蘇生が必要となります。別の機会に述べたいと思います。
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