癌(がん)/がん治療の病院・名医の探し方

あの人の「名医」は、私の「迷医」?

自分の大切な健康を回復・維持するためには、「良い医師」と巡り会うことが大切です。しかし、「良い医師」といっても、その定義は人によって大きく異なります。医師自身が、そのコツを明かします。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

良い医師に診てもらいたいけれど……

あの人の「名医」は、私の「迷医」?
良い医師に診て欲しい。この気持ちは、患者さん共通の願いではないでしょうか?しかし、一般に「名医」と言われている医師が、あなたにとって良い医師とは限らないのが現実ではないでしょうか?
体調を崩したり病気になったりして、医師にかかろうと思ったとき、誰しも「良い医師」に診て欲しいと思うものです。

医師や病院に関する情報は、古くから本や雑誌にまとめられていますが、一般に「名医」と言われている医師だからといって、自分自身にとって「良い医師」かどうかは、わからないものです。ご友人にとって「名医」だった先生も、あなたにとっては「迷医」に感じられるかも知れません。

しかし、がんの手術など、生命にかかわるような病気については、なんとしてでも「名医」を探し出したい、と感じる方も多いのではないでしょうか?

今回は、あなたにとっての「名医」に巡り会うためのちょっとしたコツをお話します。

受診する前に過度の期待を抱かない

過度に期待しない"
情報化社会の到来で、医師や医療機関についても様々な情報が、事前に手に入る時代になりました。その結果、過剰とも言える期待を抱いて、大学病院や国立病院などの大きな病院にいらっしゃる患者さんも増えているように感じます。
「良い医師」を探したい。そう考えた時に、今、多くの方は、インターネットを用いられるのではないでしょうか。インターネットでは、文字通り、情報があふれています。医師や医療機関についても、様々なクチコミやランキングの結果を収集することができます。

それらの情報を選りすぐって、最後はご自身の直感も信じて、「ここだ!」と思っていらっしゃる場合には、患者さんの期待は、過剰とも言えるほど、ふくらんでいることがあります。

そうすると、ちょっと待たされたり、不愉快なことがあったりすると、その過剰な期待とのギャップから、怒りにつながってしまいかねません。実際に、大学病院に初診でいらっしゃった患者さんが、待ち時間が長いということで、激怒されているケースは少なくありません。

確かに、医師や医療機関で、すばらしい先生や病院はあると思われますが、完全無欠な状況を求めることは、現実問題、難しいと思います。

予想や期待と現実とのギャップは、必ず大きな違和感を生み、場合によっては、怒りにつながります。ただでさえ、体調が悪かったり、病状への不安が有ったりするときなので、そういった感情のふれが大きくなることは致し方ないことですが、不必要な怒りのために、本当に良い医師や医療機関を見逃してしまうことが有るかも知れません。

世の中にあふれている情報を鵜呑みにして、過度の期待をお持ちになることは、避けられた方が良いと思います。


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