
美食をあきらめないで
-糖尿病新レシピ-
著・河合勝幸 監修・鍵本伸二
集英社Be文庫 定価695円+税
ISBN 4-08-650045-0
自画自賛というからには、もちろん当ガイドの著書です。ただの糖尿病食事療法の本ではありません。一般的な新しいライフスタイルを提案する集英社Be文庫の一冊ですから、それ程専門的な分野に立ち入っていませんが、かなり挑戦的な内容です。
病院で指導されている糖尿病の食事療法はあまりにも一律で、個人の生活や好み、仕事の内容には何の考慮も払われていません。
糖尿病者は食べすぎる。だから食事指導は8掛け(80%)でいこう!なんて、とてもサイエンスといえないデタラメが行われています。糖尿病というのは炭水化物の代謝がうまくいかない障害であって、ほかの人より食事のエネルギー(カロリー)が少なくて済む訳なんて、どこにもありません。
2000kcal消費すれば、仲間と同じように2000kcalの食事が必要です。それを1600kcalにしろと言われれば、やせ細るばかりです。
日本では、いまだにこんな指導が行われています。だから患者が守れません。こんな病院の栄養指導を厳守したら"本当の"病人になってしまいます。
当書のサブタイトルは『血糖を上げるカロリーと上げないカロリーがある』というのもです。
ちょっと分かりにくいかも知れませんが、3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂肪)の血液中のブドウ糖、すなわち血糖に与える影響はそれぞれ違うのです。だから食事のトータルカロリーを制限しても食後の血糖上昇とは必ずしも相関しません。
食後の高血糖の90%は炭水化物によるものです。だから、糖尿病のある人は炭水化物の量と質に最大限の注意を払うべきだというのが当書の主張です。改めて言うまでもなく、私の考えではありません。事実なのです。
このことを承知している医師や栄養士はもちろんおります。
『Bakaの壁』という言葉が流行してますが、『学界の壁』というものがあります。たとえば日本糖尿病学会のメンバーは統一された基準を順守する人達です。個人的な意見があっても対外的には統一見解になります。
私達の毎日の生活にとても重要な食事療法の指針がこのような巨大な組織で定められているのが問題なのです。
生れてから一度も料理を作ったこともない医師の集団が、はたして『食事療法』の実体や問題点を理解できるでしょうか?
今までは糖尿病者が公に発言しても、それを皆さんに伝えるメディアがありませんでした。インターネットという武器を手にして、やっと情報発信が可能になったのです。
そして大手出版社から活字メディアでも問題提起ができました。
内容の是非は論議が盛り上がれば自ずと答が出ると思います。それよりもこの新しい時代に出合えたのがラッキーでした。
私達のQOL向上のために、ご一緒に考えて頂ければうれしい限りです。
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