糖尿病/糖尿病の経口薬・インスリン

グルコウォッチ(R)ついに発売へ

シグナス社(アメリカ)の採血なしの無痛血糖測定機グルコウォッチ(R)バイオグラファーが3月22日にアメリカ食品医薬局の試験的販売の認可を受けました。しかし誤差がかなり大きいので採血型の血糖測定機との併用が求められています。また18歳未満の子供達への利用は認められていません。

執筆者:河合 勝幸

前回のClose Up!でお知らせしたシグナス社(アメリカ)の無痛血糖測定機『グルコウォッチ(R)バイオグラファー』(以下、グルコウォッチ(R))がついにFDA(アメリカ食品医薬局、以下FDA)の試験的販売の認可を受けました。
3月22日のFDA発表を好感して同日のシグナス社の株価は32%も値上りしました。

グルコウォッチ(R)は糖尿病者の長年の夢であった無痛血糖測定を実現した記念すべき第一号です。
しかしFDAは18歳未満の子供達への適用を認めませんでした。これはこの日を心待ちにしていた1型の子供を持つ親を大いに失望させてしまいました。

今回のFDAの承認文書で分ったことは、思っていたより数値の誤差が大きかったのです。採血型血糖測定機と同時に血糖値を測定すると4回に1回は30%以上の相違がありました。そのためグルコウォッチ(R)のみでインスリン注射量を決めることは禁止されて、従来の採血型血糖測定機で再確認することが義務付けられました。
当初は生産力がないためアメリカ国内で100人~150人の人にモニターしてもらう予定だそうです。

また、公式のトレーニングプログラムを修了した患者以外には医師が使用の処方をすることも禁じられました。グルコウォッチ(R)だけの問題ではないのですが、採血しない無痛血糖測定は血糖値が高い状態では精度が高く低血糖になればなる程精度が下がってしまうのです。そして糖尿病者の低血糖は生命の危険がある人事不省に結びついてしまうので、正確な測定が求められます。

しかし、時間の経過と共に血糖値を記録できる機能はすばらしいものです。高血糖や低血糖を知らせるアラームは、車の運転中の失神や就寝中の危険を大いに減らしてくれるでしょう。


<関連サイト>
グルコウォッチ(R)バイオグラファーの承認文書(アメリカ食品医薬品局)
http://www.fda.gov/cdrh/mda/docs/p990026.html

グルコウォッチ(R)の概略と使用上の指示事項。(英語)

グルコウォッチサイト
http://www.glucowatch.com/

アメリカ・シグナス社のサイトにあるニュースリリース。商品写真も閲覧できる。(英語)

山之内製薬、シグナス社と契約(山之内製薬)
http://www.yamanouchi.com/jp/rel/960723.html

山之内製薬はシグナス社製品の日本および韓国での独占的販売権を持っている。
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