不眠・睡眠障害/眠れない・眠りが浅い

更年期ストレスで不眠…効果的な対処法は?(2ページ目)

女性では50歳前後で、急に睡眠に対する不満が増えます。女性ホルモンの分泌量が激減することが主な原因ですが、他にも隠された理由が…。今回は、更年期の不眠のメカニズムと、簡単にできる対策をご紹介します。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

不眠にも女性ホルモンが関係

不眠女性
女性には、男性に分からない悩みがあります
睡眠ポリグラフ検査などの客観的な検査では、良く眠れている更年期の女性が、自分の睡眠に満足できないのはなぜでしょうか?

更年期を境に、睡眠に対する不満が急激に増えることから、女性ホルモンの減少が原因ではないかと、考えられています。

月経周期に合わせて分泌されていた女性ホルモンは、ちょっとした不眠ならさほど苦にならないように、心身の抵抗性を高めています。それが、閉経によってホルモンが激減したため、リバウンドを起こして、一気に不眠に対する不満が爆発する、という仮説です。

また、更年期障害の症状全体に言えることですが、自分は辛いのに、周りの人にその辛さを分かってもらえない、というストレスが不満を大きくしているようです。よく眠っているように見えても、実は不眠で悩んでいる女性がいることに、私たち男性も、理解を示さないといけませんね。


考え方をチョット変えてみましょう

睡眠女性
今日からできる熟睡法、あります
更年期の女性が陥る不眠に似た状態に、睡眠状態誤認 があります。

これは、睡眠ポリグラフ検査では正常な睡眠と判定されるのに、「私はよく眠れていない!」と強く思っている状態です。

「8時間は眠らないと体に悪い」と思い込んでいる人や、若い頃よりも心身が必要とする睡眠時間が短くなったことを、理解できない高齢者が、陥りやすい睡眠障害の一種です。

睡眠状態誤認の人の治療には、睡眠薬よりも先に、認知療法 が行なわれます。認知とは、物事の捉え方や考え方のことです。認知療法では、認知が偏っていたり正しくないことを本人に気付いてもらい、新しい捉え方や考え方を身につけてもらいます。

睡眠状態誤認の人に対する認知療法では、次のことを理解してもらいます。

・ 睡眠の量や質には問題がない
・ 日中の眠気で不都合が起こらなければ、睡眠の問題はない
・ 睡眠はとても個性的なものなので、他の人と比較しても意味がない
・ 年齢や生活習慣によって、同じ人でも必要な睡眠時間は変化する

不眠に悩んでいる更年期の方にも、この認知療法を応用して、ストレスと不眠の悪循環を断ち切ってみましょう。


次のページでは、更年期の不眠をやわらげてくれる、アロマセラピーと漢方薬をご紹介します。
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