メンタルヘルス/心の病気の原因・症状・セルフチェック

集中力が高まらない時はどうしたらよいの?(2ページ目)

「物事に集中できない」は精神科で良くある訴えの一つ。大事な時に集中できなかったといった事があれば、その後の人生にも響いてしまうかもしれません。集中力低下のよくある要因や心の病気との関連性について述べます。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

集中力が落ちた時、原因ははっきりしていますか?

集中力が落ちても、その原因がはっきりしていれば対策は取りやすいもの。「疲れている」、「眠気が強い」、「お腹が減った」ときなどに集中力が低下するのは当然です。

しかし、注意が必要な集中力低下の原因として、ストレスが挙げられます。物事に集中するためには適度な心の緊張が不可欠ですが、慢性的に心が緊張状態に置かれると、血液中のストレスホルモンのレベルは上昇し、心身が疲れやすく、イライラ感も増すので、集中力は低下しやすくなります。こうした時に集中力を高めようと気合を入れても、かえってイライラが増してしまうなど逆効果になりやすいので、気分転換をしてストレスを発散させましょう!

ところで、物事に集中できる環境にはだいぶ個人差があると思います。「朝、仕事がはかどる」、「夜、集中できる」、「自分の部屋が一番能率が上がる」、「カフェの様な場所でないと勉強に身が入らない」、「バックグランドの音楽は欠かせない」、「集中するためにはコーヒーが必須」など、集中できる環境は多様ですが、注意が必要な点として、カフェインの取り過ぎにはぜひ気を付けましょう。

適量を越してしまうと、かえってイライラ感が増し、集中力が低下しますし、カフェインには依存性の問題もあります。気になる方は試しに一日、コーヒーを飲まないで、イライラしないか試してみましょう。

心の病気の症状として出現する集中力の低下

時には集中力低下が心の病気の症状として現われる事があります。うつ病、躁うつ病、統合失調症、不安障害など多くの心の病気で集中力の低下が目立つ事があります。「他人と会話をしている時、集中できず何度も問い返してしまった」「授業中、集中できなくてぜんぜん理解できなかった」といったことが続き、仕事の能率や学校の成績が急低下してしまったときは心の病気の可能性もあります。また、「幻聴がうるさくて、集中できない」といった事もあります。

心の病気は一般に、早期に気付けば気付くほど、予後が良好ですが、病気の早期は日常生活で見られる不調と区別が付きにくい面があり、普段から心の病気へのアンテナを張っておく事が大切だと思います。結局、集中力が高まらない時は、その場の状況で、気合を入れるしかないのか、それともちょっと気分転換といった感じでしょうが、急に勉強、仕事の能率が低下してしまった時などには心の病気が隠れている事もあるのでご注意下さい。


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