メンタルヘルス/その他の心の病気

なぜ人は占い・迷信を信じてしまうのか

縁起を担いだり、迷信や占いを信じたりといった非科学的な思考のことを、「魔術的思考」といいます。この考え方が過剰になると、心の病気の症状になってしまうこともあります。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

魔術的思考とは?
大切な商談の前にはラッキー・タイを身に付ける彼
縁起を担いだり、迷信や占いを信じたりすることは、程度の差こそあれ、誰にでもある事でしょう。このように非科学的な思考を、精神医学では「魔術的思考(magical thinking)」と言います。

時に、極端にこの魔術的思考にはまってしまう人がいます。例えば、星占いの好きな人は結構いると思いますが、星占いにはまってしまったあまり、仕事の内容も占いで決めるようになるなんて事もあり得ます。もしも、星占い好きの上司が、占いで人事を決めるようになってしまったら…? 今回は、魔術的思考の仕組みについてお話いたします。


人が、占い・迷信を信じてしまうワケ

認知科学で言われていることですが、人間の心は物事を類型化することに優れていて、ある事柄とある事柄の関係を、パターン化して捉える傾向があります。ステレオタイプ的な思考もその一つです。例えば、日本人男性と言えば仕事人間、日本人女性と言えば大和撫子というようなイメージが、一昔前まで確かにありました(現在は置いときます)。

こうしたパターンが創り出されるのは、科学的な合理性を持った根拠というより、むしろ、統計的な結果に基づいている場合が多く、さらに、その結果に本当に統計学的な意義があるのか否かも、しばしば不確かです。例えば、AさんとBさんが犬猿の仲とします。Aさんの星座が○○座で、Bさんの星座が△△座だったしたら、「やっぱり、○○座と△△座の人は合わないのね」といったように結び付けてしまうような傾向が、人間の思考パターンにはあるのです。

>>この傾向は、どんな状況で起こりやすいのでしょう? 次ページへ>>
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