肩こり/肩こりの原因・しくみ・肩こりに潜む病気

枕のプロに聞く!肩こりを招いてしまう枕とは?(2ページ目)

睡眠中の姿勢は、体に大きな影響を与えます。首に負担をかけ、肩こりを誘ってしまう枕の特徴とは?今回は、大正12年創業の株式会社キタムラで、体にやさしい枕づくりに携わっている北村さんにお話を伺いました。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

高さのある枕は、なぜ悪い?

枕に頭を乗せた際に脱力ができない場合は肩こりなど体調不良につながる可能性があります

枕に頭を乗せた際に脱力ができない場合は肩こりなど体調不良につながる可能性があります

ヒトにおいては、「立位の姿勢が理想の寝姿勢である」ということですが、高さのある枕を使用すると、頭部が前傾した状態になります。これは、直立していて、頭だけを下げた姿勢です。

寝始めは「首の後面がストレッチされて気持ち良い」と感じるかもしれませんが、頭部を前傾した状態が続くと、徐々に呼吸が苦しくなっていきます。

それは、脳を休める睡眠時にあってはならないことです。首や肩周辺の筋肉が緊張し、前述の柔らかい枕に寝た時と同じように、眠りも浅く、寝返りも増え、起床時に疲労感が残る状態を招くかもしれません。

枕作りのプロより「枕選びのコツ」

やはり、重要なのは、「仰向けで寝た状態が、立位の姿勢と同じである」ということだそうです。頭部や首の部分に負担が無く、そして、脳が休まり、全身がリラックスするためには、見逃せないポイントです。「仰向けで寝て、立位の姿勢を保てる枕」を選びましょう。

また、もう1点注意することは、寝返って横向きになった時の姿勢だそうです。枕は、この横向き姿勢にも対応できることも、選択の大切なポイントになります。一般的に睡眠中は、何十回も寝返りを打つと言われています。

寝返って横向きになった時には、頚椎の深さ(首の一番くぼんだ部分)よりも、肩の高さは高くなるので、真っ平らな枕では対応し切れません。両サイドが高い枕であれば、その問題点を解消することができるのです。


世間で大ヒットした枕でも自分には合わない場合も

多くの方がご存知の「低反発枕」。この枕の大ヒットは、人々が、枕の好みや機能性を追及し、「多少の金額を払っても、心地よいネムリを手に入れたい。」という考えが、世間に浸透するきっかけになったそうです。

ですが、枕には、ヒトそれぞれに好みがありますので、例え大ヒット商品でも、その枕が身体に合わない場合もあります。また、安価で粗悪な類似品を使用し、落胆されているヒトもいらっしゃいます。改めて、自分に合った、本当に良い枕を探してみてはいかがでしょうか。


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