腎臓・膀胱・尿管・尿道の病気/頻尿・尿失禁・尿漏れ

過活動膀胱! 尿漏れの悩みと緩和体操

前回は男性に多い尿のトラブルの原因として前立腺肥大症についてご説明しました。今回の記事では、女性にも多い過活動膀胱と腹圧性失禁の対策についてご説明します。骨盤底筋群を鍛える体操、ぜひ実践してください。

執筆者:吉國 友和

1月10日の記事では、男性の頻尿の重大な原因となる前立腺肥大症についてご説明しました。今回は性別に関わらず頻尿をきたし、近年注目されている過活動膀胱(かかつどうぼうこう)についてご説明します。


読んで字のごとく! 過剰な働きの膀胱

泌尿器
膀胱は腎臓でつくられた尿を一時的にためる臓器です
過活動膀胱とは読んで字のごとく、膀胱の活動性が過剰になった状態を指します。その症状の特徴については後ほど詳しくご説明しますが、これまでに「トイレが近いのは、年(加齢)のせいだから……」とあきらめていた症状であっても、過活動膀胱の概念が広まり、かつ治療薬の進歩によって症状を抑えることができるようになりました。

特に、多くの女性が頻尿の症状があるにも関わらず、恥ずかしくて相談できない、あるいは加齢に伴う現象だとあきらめて、生活の支障となっているという話も耳にします。ここでは一言だけ、あきらめるのはまだ早い! ということです。


過活動膀胱の症状

成人の膀胱は腎臓から送られる尿を一時的にためておく袋のようなものです。その容積は個人差が大きくおよそ300から600ml前後、その8割ぐらい尿がたまると尿意を催すと言われています。これに対して過活動膀胱の状態では、ごくわずかしか尿がたまっていないのに尿意を催すのが特徴的です。

膀胱が正常な状態であれば、尿意を感じ始めて10~15分ぐらいは我慢できることもありますが、過活動膀胱の状態ではそれも難しいとされています。過活動膀胱の症状をわかりやすく表現すると、「テレビドラマを見ているとき、あと少しでクライマックスを迎えるのに、トイレに行かなければ我慢できそうにない」ということです(この例えは、ある製薬会社の営業さんから教えていただきました)。頻尿で悩む人が多いだけではなく、非常に有効性の高い治療薬が開発されていることから、近年注目されている隠れた病気の1つと言えます。ただし、必ずしも治療薬だけに頼るのではなく、お腹に脂肪が多い人ほどこうした症状が起こりやすいのではないかという研究もあることから、更に一歩踏み込んでメタボリック症候群との関連性についても着目すべきかもしれません。


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