報道で毎日、ノロウイルスによる感染性腸炎を取り上げています。ノロウイルスは院内感染の原因ともなります。ノロウイルスがアルコールに強いので消毒が困難なのが流行った理由ではありません。潜伏期、病期が短いのに、排菌期間(ウイルスをまき散らす期間)が長いのが流行した一番の原因です。
古くて新しいノロウイルス
日本では電子顕微鏡の画像から小型球形ウイルス(SRSV:Small round structured virus)の名称で呼んでいました。
アメリカでは集団発生が最初に確認された地名(Norwalk)からノーウォーク様ウイルス(Norwalk-like virus)と呼んでいました。
日本では平成15年からノロウイルスの名称を用いるようになっています。3者は、ほぼ同じウイルスですが、今後、また改名する可能性があります。
感染経路は口からです
教科書的に書くとノロウイルスの感染経路は経口感染です。狭い意味の経口感染は汚染された食物を食べて起きる事を意味します。ノロウイルスは酸(胃酸)に強いウイルスです。ノロウイルスの場合は少量のウイルスを摂取しても感染が起きてしまいます。そのために食物ばかりでなくて手に付着したウイルスからも感染症が起きます。報道された集団感染の多くは後者の方が関係していると推定されます。感染した人は歩く細菌爆弾!
感染症には、それぞれ特有の時間経過があります。- 潜伏期間:症状が出るまでの時間
- 病期 :症状が出ている期間
- 排菌期間:病原体を排出している期間
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