胃腸の病気/食中毒

熱湯消毒もNG! セレウス菌食中毒の予防法(2ページ目)

キッチンで使うスポンジや布巾。これらが感染源となる食中毒があります。雑巾の臭いの元で、消毒剤にも熱にも強い、セレウス菌による食中毒です。予防法をご紹介します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

枯草菌は雑巾の臭いの元!

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乾燥しても死にません!
納豆菌の仲間の枯草菌は、雑巾の臭いの元となる菌です。実は、洗濯機のセレウス菌による院内感染が報告されています。俗にいう所の「熱湯消毒」。効果がまったくないとはいいませんが、熱に強い枯草菌の仲間を完全に殺すことは困難です。黄色ブドウ球菌の毒素と同じく、セレウス菌の毒素のうち嘔吐に関係する毒素は耐熱性です。

有効な方法が一つあります。熱湯以外の消毒法といえば? そう、アルコールです。噴霧するアルコールは、通常の菌には一定の効果があります。残念ながら枯草菌の仲間のセレウス菌を殺すには高濃度で、長時間作用させないと効果がありません。もしも製造過程でアルコールが汚染されると、アルコールですらセレウス菌の感染源となることあるので、注意が必要です。

活性酸素でセレウス菌退治!

熱に強いセレウス菌も、熱湯の温度では死にません。さすがに油で揚げる温度の180℃では死滅します。セレウス菌で汚染されやすいのは、布巾類。雑巾や足拭きマットなども含まれるので、油で揚げるわけにはいきませんね。でも台所には、強力な消毒剤があります。次亜塩素酸を含む、塩素系漂白剤です。キッチン・ハイターなど、商品名は様々ですが、塩素系の中で、後ろの表示に「次亜塩素酸」が含まれているものを選べばOKです。

次亜塩素酸は家庭内の最強の消毒剤です。布巾類を使い回しする時は、次亜塩素酸による消毒をお薦めします。一晩漬け置きする必要もありません。時間は5分程度でも濃度が高ければ効果があります。

次亜塩素酸には欠点があります。一つは人体には使えない事。もう一つは金属を腐食することです。包丁やナイフなど、金属類の消毒には使えませんで気をつけましょう。


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