心臓・血管・血液の病気/心筋梗塞・狭心症

尿酸が高い人は狭心症・心筋梗塞にも注意!

尿酸値が高くても、痛風発作がない場合もあります。しかし高尿酸血症は、狭心症・心筋梗塞の危険因子とも言われています。尿酸値を下げれば心疾患を減らせるのか、2つの関係性をご説明します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

尿酸値が高いと直ぐに痛風を考えますね。尿酸値が高いと痛風発作だけでなくて、心疾患を起こしやすいことがわかっています。高尿酸血症の人は尿酸値を下げると心疾患を減らすことができるのでしょうか?


痛風予備軍は600万人! 男性の10人に1人

さて、高尿酸血症の人は、どれくらいいるのでしょうか? 尿酸の血中濃度の上限を7mg/dLとすると、日本人では推定約600万人、言いかえると痛風予備軍は600万人いるということになります。人口の5%、20人に1人程度に当たります。

代謝障害の予備軍では、糖尿病の予備軍が推定800万人で1位ですから、2位ということになりますね。

高尿酸血症の人は、ほとんど男性なので、男性の10人に1人は痛風予備軍ということになります。


無症候性高尿酸血症って何?

痛風関節炎
痛風発作は冷え易い足指関節に起きます!
20人に1人の高尿酸血症人がいても、全員が痛風発作を経験するわけではありません。痛風発作を起こすのは、高尿酸血症の人のうち10%、10人に1人程度です。残りの人は、痛風発作がない無症候性高尿酸血症と呼ばれます。痛風の炎症が起きる場所は、血中ではなくて関節内です。血中濃度が高くても関節内で尿酸が結晶化しなければ痛風発作は起きません。

高尿酸血症でも、痛風発作がないなら大丈夫と考えたいところですが、高尿酸血症は、心疾患の危険因子となる可能性があると考えられています。痛風発作がなくても心疾患を減らすために尿酸値は下げた方が良いのでしょうか?

>>次のページでは、尿酸値と心疾患の関係を説明します。>>
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