肺・気道の病気/咳・痰・喘鳴(ぜいめい)

ひょっとして、百日咳?咳が止まらない症状

百日咳はワクチンによる予防効果が高い病気です。しかし成人になると予防効果が落ちてきて集団発生することがあります。咳が2週間以上止まらない時は百日咳、マイコプラズマの可能性があるので診断を受けましょう。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

三種混合ワクチンを受けていれば安心?

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ワクチンは有効です
百日咳は、小児がかかると死亡率が高い病気です。かつてワクチンをより副作用の少ないワクチンへと切り替える時に、未接種者が増えてしまい、百日咳の報告が増えたことがありました。このことからもワクチンは予防に有効と推定されています。

日本で開発されたワクチンは重篤な副作用が少なく、ジフテリア、破傷風と百日咳を合わせた三種混合ワクチンの接種が実施されています。三種混合ワクチンは複数回の接種を行うので、接種をまったく受けていない人は非常に稀です。結果的にワクチン接種率が非常に高いといえます。

また、接種回数が多い方が感染予防力が高く、予防効果も続くことが知られています。ワクチン接種による事故に不安がある方は、小児科医による「予防接種は危険? 受けるリスク vs 受けないリスク」を併せてご覧下さい。

成人になるとワクチンの予防効果が落ちる

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百日咳は子供病気!
元々百日咳は子供の病気とされ、感染症の報告も小児のみが対象です。成人の報告がないのは、成人が発症した場合の記録を集めていないからです。

ワクチン接種を受けていれば、大人になっても感染しないと考えがちですが、感染の成立を完全に防げるわけではありません。小児時期に接種したワクチンによる予防効果は、成人になると落ちてしまうので、最近では成人の百日咳の集団発生と推定される報告が相次いでいます。

次ページでは、成人の百日咳の治療法について解説します。
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