脳・神経の病気/脳梗塞・脳出血・くも膜下出血

冬場の入浴時は、脳卒中に注意!(2ページ目)

入浴時は温度変化に加えて、湯船内の水圧の影響、発汗による脱水が起きます。血圧や血液組成の変化により脳卒中発作が起きやすくなります。入浴前の水分補給と入浴後のバスローブの着用で発作を予防しましょう。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

脱衣場を事前に暖めよう!

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脱衣場を暖めましょう!
入浴時のストレスと血圧の変動は、脱衣場に始まり、脱衣場で終わります。ストレスになる寒冷刺激を避けるには、脱衣場を暖かくする事が必要ですね。脱衣場は換気や安全性の面から考えると、灯油やガスを使った暖房機器は不向きです。一方、いわゆるオイルヒーターは、脱衣場程度の狭い空間ならば、ある程度短い時間で安全に暖めることが可能です。

入浴直前では間に合いませんが、1時間程度前から脱衣場を暖めれば、脱衣場での、入浴前後の寒冷刺激を避けることが可能となります。

入浴30分前に水分補給を!

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入浴前に水分補給を!
あまり意識されませんが、入浴時の発汗は、湯船であたたまる時間が長いほど増加します。長湯の人は入浴中に知らずに脱水症状が進み、血液が濃縮することになります。水分の多いサラサラした血液と、濃縮したドロドロした血液なら、どちらが血管が詰まる危険が高いか、簡単に想像できると思います。

予め、体の中の水分量を上げておきましょう。水の吸収は胃ではなくて小腸で行われるので、飲んですぐには効果は出ません。入浴の30分程度前に水分を補給しておけば、入浴に伴う脱水の程度が軽くなります。

冬場の楽しみとして、バスローブを使おう!

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バスローブって結構おしゃれ!
西洋式のホテルにあるバスローブ。日本の家庭では、あまり普及していませんが、入浴後の体温変化を小さくしてくれる優れものです。

バスタオルで体を拭く間に体が冷えないよう、冬場はお風呂から出たら、脱衣上でまずバスローブを羽織って、暖房が効いた空間に移動しましょう。髪を洗った場合は、タオルで髪をさっと包みましょう。ちょっとした工夫ですが、これだけでも入浴に伴う脳卒中発作の発生を小さくすることが可能なのです。



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