肥満・メタボリックシンドローム/肥満・メタボリックシンドロームの基礎知識

日本版メタボリックシンドロームの診断基準 ウエストサイズに要注目!

「メタボリックシンドローム診断基準検討委員会」は、日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準を発表しました。内臓脂肪蓄積の目安になるウエストのサイズを基準の第一条件にした点に注目。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

記事の"あなたもメタボリック症候群かも"で、日本版のメタボリックシンドローム診断基準作成は難航しそうと書きました。

しかし、今回、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本肥満学会、日本内科学会の委員で構成される「メタボリックシンドローム診断基準検討委員会」が、日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準を発表したのでお知らせします。

以下、詳細を説明しますが、内臓脂肪蓄積の目安になるウエストのサイズを基準の第一条件にした点が、注目して欲しいポイントです。

日本版メタボリックシンドロームの診断基準

くびれが大切!ウエスト周囲径  男性 85cm以上・女性 90cm以上
ウエスト測定は立った状態、軽く息を吐いて、へその高さで測定します。

上記に加え、以下の3つのリスクのうち2つ以上のリスクがあった場合に、メタボリックシンドロームと診断。

1.血中脂質(脂質代謝異常)に関して
中性脂肪(トリグリセリド)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)について基準があります。トリグリセリドは高いと異常で、一方、HDLコレステロールは低いと異常です。

トリグリセリドの値は150mg/dL以上が高トリグリセリド血症で、HDLコレステロールの値は40mg/dL未満が低HDLコレステロール血症です。高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症、どちらかの異常があると脂質代謝異常があることになります。

高トリグリセリド血症があり薬剤治療中の場合、低HDLコレステロール血症があり薬剤治療中の場合、脂質代謝異常がある事になります。

2.血圧に関して
正常血圧は収縮期血圧(最高)130mmHg未満、拡張期血圧(最低)85mmHg未満です。収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上は血圧に異常がある事になります。

高血圧治療中で降圧剤服薬中の場合は、血圧異常がある事になります。

3.血糖(糖代謝)に関して
空腹時血糖の基準値は110mg/dL未満です。空腹時血糖が110mg/dL以上だと糖代謝異常がある事になります。

糖尿病の薬物治療中の場合は糖代謝異常がある事になります。

まず巻き尺でウエストの測定を!

巻き尺で測定!血圧測定は家庭でも可能ですが血圧計が必要です。
血中脂質と血糖については空腹時に採血しないと検査できません。

心配な方はまず、巻き尺でウエストの測定からはじめてみましょう。



関連リンク
  • あなたもメタボリック症候群かも
  • カルシウムでダイエット!
  • 痩せる油!共役リノール酸
  • ダイエット失敗の理由は蛋白質に
  • 中性脂肪がダイエット成功の鍵!
  • 水を飲んで痩せられるって本当?
  • 太っ腹を何とかしたい!
  • 痩せる油!内臓脂肪を断て!

    ※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
    ※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
    免責事項

    あわせて読みたい

    あなたにオススメ

      表示について

      カテゴリー一覧

      All Aboutサービス・メディア

      All About公式SNS
      日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
      公式SNS一覧
      © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます