食と健康/女性のための健康食・レシピ

おからの優れた健康効果・栄養素…豆乳とともに注目の大豆製品

【NR・サプリメントアドバイザーが解説】おからの健康・美容効果と栄養素は? 豆乳ブームとともに注目された大豆製品・おから。おからは日持ちがせず多くが廃棄されてしまいますが、食物繊維も多く、低カロリーで女性の健康と美容に役立つ食品です。その魅力をわかりやすく解説します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

おからの健康効果・美容効果は? 注目の日本のスーパーフード

搾りかすとして多くが廃棄されてしまう「おから」。実は人気の豆乳よりも栄養価が高いことはあまり知られていません

搾りかすとして多くが廃棄されてしまう「おから」。実は人気の豆乳よりも栄養価が高いことはあまり知られていません


低カロリーで、しかも植物性でありながら良質のタンパク質を含むなど、栄養価の高い豆腐や豆乳などの大豆製品は、欧米でも健康的な食品として注目されています。そんな大豆ブームの陰で、ご家庭では存在感を出し切れずにいるのが「おから」。

ご存知のように、大豆を煮てすりつぶしたものを漉したものが豆乳で、残りかすがおからです。ちなみに、豆乳ににがりなどの凝固成分を加えて固めたものがお豆腐です。

おからも、元はといえば同じ大豆の一部。豆乳には少ない食物繊維も多く、女性の健康美をサポートしてくれる栄養素がギュッと詰まっています。それではおからの注目すべき成分をご紹介しましよう。
 

おからにも含まれている注目すべき3つの成分

1. レシチン:脂肪代謝や脳の活性化に働く
レシチンは、大豆に含まれる不飽和脂肪酸。不飽和脂肪酸は、血管に付着したコレステロールを溶かし血流を良くしたり、固まるのを防いだりする働き(脂肪代謝機能)があり動脈硬化を予防すると期待されています。

また脳の情報伝達に関わる神経細胞の重要な材料となり、脳の老化や予防にも役立つのではないかと考えられています。

2. サポニン:老化や生活習慣病予防に働く
大豆サポニンは、いわゆるえぐ味の元となる成分。この大豆サポニンは、血管内に付着した脂肪を掃除し、活性酸素の働きを抑制する、腸を刺激し便通をよくするなどの働きから、生活習慣病や老化防止、さらには発ガン抑制、エイズ発症抑制の効果なども期待されています。

3. 大豆イソフラボン:骨粗しょう症、乳がん等に効果
イソフラボンは豆の含まれるポリフェノールの一種ですが、食物の中では大豆に最も多く含まれています。この物質が注目されているのは、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするからです。

女性ホルモンの減少によって起こる更年期障害の諸症状に効果が期待されています。女性ホルモンはカルシウムが溶け出すのを抑制することから、骨粗しょう症や乳がん、前立腺がんの予防効果があげられます。

その他大豆イソフラボンの効果には、高血圧・コレステロールの抑制、循環器疾患のリスク軽減なども挙げられます。

また大豆イソフラボンにおいては、現状の日本人の大豆製品として食べる平均的な摂取量は経験的に安全と考えられ、現時点における大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして70~75mg/日と設定されています。特定保健用食品でさらに追加する場合には、安全な一日上乗せ摂取量の上限値を30mg(大豆イソフラボンアグリコン換算)と提示されています(食品安全委員会)。

このように、こうした成分の機能性についてはまだまだ科学的検証の蓄積が必要ですし、食品としてのおからを食べたから病気が治るというものではないので、過剰な期待をして偏った食べ方をせずさまざまな食品とともにバランスのとれた食事をするようにしてください。

 

搾りかすとはいえ栄養価の高いおからの栄養素

大豆から受けついだ栄養は他にもあります。アミノ酸バランスの優れたタンパク質、カルシウムなどのミネラル、ビタミンB群などですが、下記の比較を見れば、豆乳や豆腐以上に栄養価が高いことがおわかりになると思います。

■大豆と大豆加工品に含まれる主な栄養価
大豆,おから,豆乳,豆腐,成分,タンパク質,カルシウム,食物繊維

 

特に不足しがちな食物繊維(18歳~64歳の1日の目標摂取量は男性21g以上、女性18g以上)が豊富です。食物繊維が多いと腹持ちがよくなりますし、余分な脂肪の吸収も妨げるので、ダイエット中の食欲を抑えることにも役立ちます。また、食物繊維は整腸作用がありますので、便秘の予防・改善などの働きも期待できます。
 

おからを食べるとエコにもつながる

豆腐にするために使用される大豆の量の1.35倍のおからが出るとみられています。というのも水分が66~82%含まれるからです。おからの一部は食用として消費されますが、水分が多く輸送が困難なために、大部分は産業廃棄物として廃棄・焼却処理され、大きな負担ともなっているのです。

食品リサイクル法なども施行され、ゴミ処理の問題、地球温暖化などの地球環境問題からも、おからの有効活用は重要なテーマです。近年では、乾燥パウダーに加工して日持ちが良くなり、飼料・肥料や機能性食品、化粧品としてリサイクルされています。
 

ダイエットにも効果? おからを使ったお菓子でカロリーカット!

おからでクッキーを作るのもおすすめ

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おからで焼き菓子などのお菓子を作ると、小麦粉を使う場合に比べてカロリーカットできます。また食物繊維なども多いお菓子になるのも魅力ですね。筆者、時々おから入りのチョコブラウニーを作ります。

ただし、おからをそのまま使うとぼそぼそしてしまいがち。しっとりさせるにはバターなどの油分やクリームなどを少し加えるとよいのですが、使いすぎると今度はカロリーが高くなってしまうので注意してください。

■参考
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
「食品リサイクル法に係る発生抑制」(日本豆腐協会)
・八訂食品成分表
・日本豆腐協会資料「食品リサイクル法に係る発生抑制」
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