食と健康/伝統食・粗食・素食

肥満、高血圧、動脈硬化、脂肪肝…が気になる方へ 生活習慣病に『蕎麦』で打ち勝つ(2ページ目)

30代、40代の男性が不摂生を重ねれば、生活習慣病に近づく事は明らかです。すべてを解決できるわけではありませんが『蕎麦』は不摂生や生活習慣病を改善する伝統食です。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

【蕎麦と長寿】
蕎麦に関する日本の習慣の内、日本各地で馴染みが深いのが『年越し蕎麦』です。『蕎麦』を食べて、長寿を祈願します。元々は蕎麦の長い事と長寿を結び付けた事が由来です。最近の食品科学の進歩により、蕎麦は直接、長寿につながる事が科学的に解明され始めました。


【蕎麦で食物繊維不足を解消!】
食物繊維というと野菜を考えがちです。実は蕎麦は食物繊維が非常に豊富な穀物です。蕎麦が持つ食物繊維はヘミセルロースというものです。食物繊維を水溶性と不溶性に分けるとヘミセルロースは不溶性の食物繊維です。蕎麦を食べれば食物繊維不足はかなり解消できます。
[関連情報]食物繊維

蕎麦は、食物繊維が多いので、低インスリンダイエットで一躍有名になったグライセミック インデックスが低い食品なのです。よって、食後の血糖の上昇が穏やかです。

また、蕎麦を常食すると血中コレステロール値が低下します。蕎麦自体が低コレステロールなためと食物繊維によるコレステロールの吸収抑制が関係しています。


【赤ワインのポリフェノールより蕎麦のルチン!】
ポリフェノールはその抗酸化作用が注目されているphytochemical(植物由来化学物質)の一つです。ポリフェノールというと赤ワインのポリフェノールが有名ですが、赤ワインを飲まなくても、蕎麦はルチンというポリフェノールを大量に含有しています。

ルチンにはいろいろな作用があります。

●抗酸化作用があります。
●赤ワインのポリフェノールと同様に抗動脈硬化作用があります。
●毛細血管の強化作用があるので、脳出血を予防します。
●膵臓からのインスリンの分泌を促進します。

ただし、ルチンは水溶性ですので、蕎麦を食べる時は蕎麦湯も飲みましょう


【蕎麦で血圧を下げよう!】
蕎麦には血圧を下げる効果があります。血圧を維持するのに必要な酵素にアンジオテンシン変換酵素があります。蕎麦にはこの酵素を抑制する効果があるので直接に血圧を下げることになります。
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