食と健康/魅力の食材・成分(肉・魚介・野菜・フルーツなど)

今注目の「ニンニク成分」を活かす使いかた

夏バテ回復、スタミナ食のイメージと言えばニンニク。ニンニクに含まれている栄養素や注目の機能性成分とは。また食べ方や注意点などについてご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

スタミナ食として注目される成分は

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古代から薬食として活用されてきたニンニクには、様々な機能性成分が含まれ、注目されています。

古代ギリシャや古代エジプトの時代からもスタミナ食、薬食として伝わるニンニク。殺菌や抗菌、疲労回復、血行促進、高血圧予防などの生活習慣病予防にも役立つと伝えられ、どのような栄養成分が関わっているのかについて、近年科学的に研究されています。

ガイドは、以前にも「スタミナ食のニンニクで、暑さを乗り越えよう!」という記事で、ニンニクの注目される機能性成分や摂り方の注意点をまとめていますので、ぜひお読みください。

ニンニクに含まれているアリインは、生ニンニクがそのままではにおいませんが、調理で刻んだりすりおろすなどして組織を壊すことで、酵素アリナーゼと接することでアリシンに変わります。

アリシンは安定が悪く、他の物質と反応したり自分自身で分解し他の物質に変換し易い性質があります。アリシンからできる脂溶性の化合物には、アホエンやアリルスルフィド類などが生成され、これらの機能性に注目が寄せられています。

今回は、特に抗酸化作用があることで生活習慣病予防にも役立つのではないかと期待されるアホエンやS-アリルシステインについて取り上げます。

抗血栓・抗菌作用で注目されるアホエン

アリシンが油の加熱によってアホエンに変わりますが、アホエンは抗酸化作用があり、血栓防止作用があると期待されています。

独立行政法人青森県産業技術センターの「農産加工だより」の「研究成果情報56号」(平成26年3付き14日)では、ニンニクのアホエンを増やす加工法の開発の実験報告がありました。

実験の加工においては、ニンニクを破砕し十分アリインが酵素反応して蓄積された後、植物油を添加し、加温して浸漬時間でアホエンの生成量を比較しています。

破砕後すぐに植物油を加えるよりも、少なくても120分経過後がよいこと、室温で5日程度おくとアホエンの生成量が多いことがわかりました。また室温と55度に加温した場合は短時間に生成量が多くなりましたが、その後減少し、80度では生成量自体が少なくなりました。アホエンは加熱温度が高いと分解されるためと考えられます。

こうした実験の結果から、食べる直前ではなくあらかじめニンニクをすりつぶしておき、時間をじっくりおいてから、ドレッシングなどの高温の熱を加えずに油を使った方法で食べることがおすすめのようです。

黒ニンニクで注目されるS-アリルシステイン

ニンニクを切ったり、潰したり、漬け込んだりすることで生成されるS-アリルシステイン。アホエンは脂溶性なのに対して、S-アリルシステインは水溶性のアミノ酸です。S-アリルシステインも、抗酸化作用が強いとみられ近年注目されています。

最近は、ニンニクを加工した黒ニンニクも人気があります。ニンニクは高温・高湿の環境で一定期間置くことによって熟成し、糖とアミノ酸によるメイラード反応で、果肉色が白から琥珀色、そして黒へと変化していきます。その過程でS-アリルシステイン、シクロアリインなど生成されます(特許技術/「青森の黒にんにく」)。

S-アリルシステインは琥珀色の時に最も含有量が高くなります。黒くなるまで加熱すると機能性は減少しますが、琥珀色の時より刺激が少なく、甘くなりにおいもなくなり、ほこほことドライフルーツのような感覚で食べやすくなります。

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