食と健康/朝食の役割・簡単レシピ

賞味期限切れでも食べられる?~朝食編~

食の賞味期限を含む品質管理、安全性が問題となっています。これからの季節は食品も傷みやすく、家での自己管理も重要! 朝食に人気の食材から、安全性を確保する方法をご紹介します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

「食の安全」は自己責任も重要!

昨年の牛ひき肉やブランド鶏の偽装に始まり、賞味期限や消費期限の書き換え、料理の使い回しなどなど、食に関する悪い報道は絶えません。

製造者と流通の責任が問われていますが、一方で家庭内での食の安全は、どう意識されているでしょうか? 賞味期限や食材が腐っていないかの判断など、家庭での食の安全は正しい自己管理が重要です。

「賞味期限切れでも正直気にしない!」「梅雨時は冷蔵庫の中のものも傷みやすくて不安……」。そんな人たちのために、今回は、朝食に人気の食材から、安全性を確保する方法をご紹介します。

【CONTENTS】
Page1:手軽な朝のタンパク源! ヨーグルト、チーズ、卵の安全性は?
Page2:これなら安心?! 梅雨時でもオススメの保存食

健康には問題なし? 賞味期限切れのヨーグルト

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乳酸が他の雑菌を駆逐します!
手軽な朝食として人気が高いヨーグルト。タンパク源としてよりも、善玉菌の増加やカルシウム源として有効です。さらに、ヨーグルトの酸味の元となる乳酸は他の微生物の増殖を防ぎます。乳製品だから腐りやすいのかな?と思われがちですが、実は賞味期限を少し過ぎても、食中毒の原因にはなりにくいのです。

ただし、腸内の善玉菌を増やす目的ならば、菌がしっかりと生きている可能性が高い期間に食べるべきです。カルシウム源として食べるのならば、脱脂粉乳を添加するとうより多くのカルシウムを摂取出来ます。

チーズはカビに注意!

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後からカビたチーズの安全性は疑問
日本ではあまり聞きませんが、欧米ではナチュナルチーズによる食中毒が問題になっています。風味の点ではナチュナルチーズに劣りますが、プロセスチーズは安全性が高い食品です。

チーズもヨーグルトに似た乳酸菌を利用した発酵食品ですが、乳酸は酢酸と違ってカビの発育を防止する効果がないので要注意! カビの中でも、売られている時点でカビで覆われているキャマンベールやブルーチーズは問題がありません。

しかし、冷蔵庫内でカビてしまったチーズの安全性には疑問が残ります。カビ自体には通常は問題はありませんが、カビたチーズには他の微生物が繁殖している可能性があるからです。もともと発酵しているからなどという油断をすると、腹痛を起こしてしまいます。

卵は加熱した方が安全です!

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卵は食べる時に加熱しましょう!
卵の白身には、リゾチームという抗菌蛋白質が含まれています。スーパーマーケットでは卵が室温で売られていることがありますね。室温で陳列しても安全性が高い理由の一つは、この抗菌蛋白質のおかげです。

しかし卵で起きた場合に怖いのが、サルモネラ菌による食中毒。朝の忙しい時間でも、安全性を高めるためには加熱調理をお薦めします。卵を割って電子レンジなどの調理器具で加熱すれば、朝寝坊の人でも簡単に加熱調理が可能です。

>>次ページでは、朝食向けで安全性も高い食材をご紹介しましょう。>>
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