天然ガスを燃料にする「複合発電」
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| 天然ガスを使って複合発電する「ガスコンバインドサイクル発電」は既に稼動中である。 |
前回の記事で触れた「石炭ガス化複合発電」(IGCC)では、まず燃料の石炭を「ガス化」して、複合発電(コンバインドサイクル発電=後述)を行います。そうすることによって発電効率(投入したエネルギーをどれだけ電気に変えられるか)が大幅に向上し、地球温暖化の“主犯”とされる二酸化炭素(CO2)や、石炭火力発電で問題になる硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)の排出も抑制できるというものでした。
ところで、複合発電にははじめからガス(天然ガス)を使って電気をつくるシステムもあり、こちらはすでに稼働しています。今回は、この「ガスコンバインドサイクル発電」を取り上げてみたいと思います。
ガスタービンと蒸気タービンのコラボで発電
コンバインドサイクル発電の仕組みについておさらいしておきましょう。火力発電には大きく言って2つのタイプがあります。主力は燃料をボイラー内で燃やして蒸気を発生させ、その膨張力で蒸気タービンを回転させて電気をつくる方式で、これを「汽力発電」と言います。そしてもう1つは、燃料を燃やした燃焼ガスでタービンを回して発電する方法で、小型で高い出力が得られるといったメリットがあります。
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| LNG(液化天然ガス)を燃料に使うコンバインドサイクル発電所では、ガスタービンを回した熱で水を蒸気に変え、さらに蒸気タービンを回転させるという二重の発電方法を組み合わせた形になっている。 |
コンバインドサイクル発電は、ひとことで言えばこの2つの方式を「複合」させたものです(図)。最初に圧縮空気の中で燃料(ガス)を燃やしてガスタービンで発電し、タービンを回し終えた排ガスの余熱を使って蒸気タービンによる発電を行うのです。熱を有効利用できますから、同じ量の燃料からより多くの電気をつくることができ、結果的にCO2排出量なども抑えられることになります。
比較的クリーンな燃料=天然ガス
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| 燃料の中でも比較的クリーンな天然ガス。 |
さて、今回の「ガスコンバインドサイクル発電」では、燃料に天然ガスを使います。実はこのこと自体にもいくつかの利点があるのです。
前回、石炭は世界に広く分布する燃料で、価格も割合安定していると述べました。天然ガスも石油に比べれば供給事情は安定しているのが強み。
加えて石油、石炭に比べると燃焼時のCO2排出量が少なく、SOxやばいじんは出しません。化石燃料の中では比較的「クリーンな」エネルギーなのです。環境負荷の少ない燃料を使って、より効率のいい発電を行う——。「ガスコンバインドサイクル発電」の特徴をひとことで表現すれば、そういうことになるのではないでしょうか。
世界最高水準の発電効率
ちなみに、「ガスコンバインドサイクル発電」はこれまでにも確実な進歩を遂げてきました。ガスの燃焼温度は、高い方がより高効率の発電を可能にします。いわゆる「従来型」と言われるものの燃焼温度は1100℃でしたが、すでに普及している「改良型コンバインドサイクル発電」(ACC)のそれは1300℃。このACCの発電効率はおよそ50%で、1950年代の火力発電に比べると、なんと約2倍~3倍という水準に達します。つまり、同じ量の燃料からそれだけ多くの電気をつくり出せるようになったわけです。
さらに、近年各地に導入されつつあるのは、燃焼温度を1500℃までアップさせた「MACC」と呼ばれるタイプ。発電効率は59%まで高まり、もちろん世界最高レベルです。
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| 川崎火力発電所 |
現在、全国約22の発電所に導入されている「ガスコンバインドサイクル発電」。いっそうの省エネ、温室効果ガス削減に向けて、その活躍の場は今後も広がっていくことでしょう。
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