大学生の就職活動/就職活動の選考対策

【種類別】就職活動の筆記試験対策

筆記試験の問題タイプは適性検査・一般常識・小論文の3種類に大別される。いずれも事前に勉強すれば点数を上げることはできる。志望企業がどんな筆記試験を実施したかを調べ、落ちることのないようにしっかり時間を取って試験勉強しよう。

執筆者:見舘 好隆

<INDEX>
  1. 筆記試験も対策すれば突破できる
  2. 「適性検査(SPI2など)」は、事前に全問挑戦せよ
  3. 業界によって出題分野が異なる「一般常識」
  4. オリジナルな視点で論述する「小論文(作文)」
 

筆記試験も対策すれば突破できる

勉強するのは確かに面倒だ。しかし、すれば確実に点数は上がる。筆記試験がない企業を選ぼうなんて考えてはいけない

勉強するのは確かに面倒だ。しかし、すれば確実に点数は上がる。筆記試験がない企業を選ぼうなんて考えてはいけない

企業が採用活動において就職試験を実施する目的は、もちろん企業が求める人材を獲得するためである。企業が求める力を持っているかを判断するために、面接やグループディスカッション、そして今回のテーマである筆記試験を実施するのである。

では、筆記試験では何を測定しているのであろうか。それは面接では分かりにくい能力、例えば基礎能力(言語的理解など)や一般常識(時事など)、そして性格を測定しているのだ。筆記試験の結果は内定後も保存され、配属を決めるデータにもなる。また、入社後の活躍を経年分析し、採用時にチェックすべき項目を見極めている。なお、筆記試験には、面接可能人数に絞る役割もある。いずれにしても志望企業が筆記試験を課す限り、筆記試験を突破しなければ内定を得ることはできない。

次に筆記試験の実施方法は、一昔前までは筆記試験の会場を借り切って、問題用紙や検査用紙を配布して受験させる形式だった。しかし近年、インターネットの普及とともに会場費削減と遠隔地の学生への配慮も相まって、Webテスト方式が併用されるようになった。最近では不正行為(なりすましなど)を減らすために、全国の主要都市の専用の試験会場にてパソコンで受験するテストセンター方式が増えている。

筆記試験のタイプは、適性検査・一般常識・小論文(作文)の3つに大別される。いずれの筆記試験も、大学の入学試験と同じく、しっかりと対策を講ずれば点数を上げることはできる。志望企業がどんな筆記試験を実施しているかOB・OGに聞くなりして調べ、本番前にしっかり時間を取って試験勉強しよう。
 

「適性検査(SPI2など)」は、事前に全問挑戦せよ

TOEICと同じく、出題形式に慣れるだけで点数は上がるよ

TOEICと同じく、出題形式に慣れるだけで点数は上がるよ

適性検査とは、前述した面接では分かりにく能力、例えば基礎能力(言語的理解や論理的思考、数量的処理など)、一般常識(社会・理科・時事・英語など)、性格のいずれかもしくはすべてを測定するテストのことを指す。

例えば、リクルートマネジメントソリューションズが提供するSPI2は、行動的側面(社会的内向性など)や意欲的側面(達成意欲など)、情緒的側面(敏感性など)、そして能力的側面(思考力/判断力・言語的理解・論理的思考・数量的処理など)を測定している。

例えば、日本エス・エイチ・エルが提供するGABは、計数理解(ひたすら四則計算)や言語理解(論理的思考)、パーソナリティ(ヴァイタリティやチームワークなど)を測定している。

その他、日本経営協会総合研究所(NOMA総研)が提供する総合適性検査SCOAや、日本文化科学社のTAP、ヒューマンキャピタル研究所のHCi- AS/HCi-ab、日本・精神技術研究所の内田クレペリン検査など、たくさんの種類がある。志望企業がどのテストを使っているのかを調べてみよう。

原則、性格部分を除いた能力部分は、努力次第で点数を上げることは可能だ。例えばTOEICのように、そのテストの出題形式に慣れることで点数は上がる。そして例題をたくさん解いて問題自体を解く力を身につければ、さらに点数は上がる。各試験の対策本は書店で手に入るので、時間を作って本番前に少なくとも1 回は全問解くようにしよう。

性格を測定する適性検査に関しては、基本的には無理に自分を変えないことを勧める。自分に自信があるなら、あまり気にせず素直に受験すればよいだろう。しかし、設問に答える時にもし「このままの自分はあまり好きじゃない」と思ったなら、意識していい方向に変えていく努力をしてもよいだろう。私は過去に就職活動によって一皮むけた学生をたくさん見てきた。性格自体は確かに変えるのは難しいかもしれないが、新しい自分に気づいたり、新しい自分を解釈したりはできるはずだ。もう変わらないと決め付けるのではなく、今は過渡期として捉えてみよう。
 

業界によって出題分野が異なる「一般常識」

新聞を毎日全部読むのは確かに辛い。せめて1面とその関連記事を読むだけでも大分違うよ

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一般常識とは、英語、国語、社会(時事)、数学など、いわゆる社会人が常識として持つべき一般知識の有無を確認するテストである。前述した適性検査の中にも含まれている場合もある。

一般的な問題は、英語(熟語・イディオム、穴埋め、同意語、時事用語、英文和訳など)や国語(漢字読み書き、四字熟語、反対語など)、社会(政治、経済、歴史、地理など)、数学(基礎的な計算、一次方程式、確率統計、グラフの読み解きなど)など、すべて中学や高校の教科書レベルである。一般常識の問題集は出版されているので、各分野を一通りこなしておけばよいだろう。特に国語や数学は前述した適性検査の練習にもなる。

業界に関わる専門分野が出題されることもある。例えば、旅行業界なら観光地理、新聞社なら政治や国際情勢など、その業界を志望するなら知っていて当然と思われる問題だ。志望企業が過去にどんな問題を出したのかを調べてみよう(例えば朝日新聞や読売新聞は過去の筆記試験問題と解答を公開している)。その企業固有の一般常識問題(特に時事)の対策は、新聞やテレビ、ネットのニュースなどで、志望企業に関連する情報を絶えずキャッチしておくことだろう。ニュースがよくまとめられているのはやはり新聞であり、新聞を毎日読むことをお勧めする。もしそれができなければせめて夜か朝のNHKのニュースを見て、より深く理解したい部分をネットのニュースを合わせ読み、分からない言葉を検索することを習慣づけよう(例:八ツ場ダムはどこにある? COP15って何?)。大切なことは、そのニュースをただ暗記するのではなく、他人に分かりやすく説明できるかだ。説明できて初めて後述する小論文対策にも、そして面接対策にも繋がっていくのだ。
 

オリジナルな視点で論述する「小論文(作文)」

社会に出ると、会議や営業の場面で「今朝のニュースのことだけど」的な話は絶対にある。知りませんなんて言えないよ。今から読む癖をつけよう

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小論文(作文)は、大学のレポートと同じく、課題に対して、制限された時間と文字数を守りつつ、論述するテストである。

例えば、読売新聞(記者)の論文のテーマは以下。60分で800文字である。
  • 2009年:「日本映画」
  • 2008年:「米大統領」「世襲議員」
  • 2007年:「宇宙と平和」「石油」
  • 2006年:「ライブドア現象」「小泉政治」
言うまでもなく、その年を代表するテーマである。誰しもが幾ばくかはコメントできるだろう。しかし問題は、自分オリジナルの視点で、かつ客観的な論述ができるかだ。記者なのだから、当然である。同じように、その企業を志望するなら論述できて当然と思われる課題が出る。志望企業が過去にどんな課題を出したのかを調べてみよう。

対策としては、一般常識と同じく、新聞やテレビ、ネットのニュースなどで、志望企業に関連する情報を絶えずキャッチしておくことだろう。そして書く訓練をしなくてはならない。おすすめはブログやmixiなどソーシャルネットワーキングサービスの日記にまとめることだ。最初はつらいが、書くことが癖になるほど続ければ、一般常識試験対策はもちろん、面接対策にも繋がっていくだろう。
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