プレゼンテーション/効果的なプレゼンテーション

プレゼンで緊張……あがらない2つのコツ

プレゼンテーションなど、「人前に立つとあがってしまう」という声はよく聞きます。確かに、緊張しますよね。だからこそ、あがりへの対処方法は重要です。今回はプレゼンなどで人前に立つ際、緊張せず、あがらずに済むコツをお伝えします。

野村 尚義

執筆者:野村 尚義

プレゼンテーション・企画力ガイド

プレゼンで緊張しないために、あがらない2つの考え方!

プレゼンで緊張しないためには?

あがることは悪いことばかりではない。話し手、聞き手ともに良いこともある

プレゼンテーションに苦手意識を持つ人に聞くと、「人前に立つとあがってしまうから」といったことをよく口にします。確かに緊張しますよね。だからこそ、あがりへの対処方法というのは知っておきたいものです。

ここでは、いざ人前でプレゼンテーションをする際に、過度にあがらずに済むコツについて、色々とお伝えしていきたいと思います。
   

プレゼンで緊張……あがることは良くないことか?

あがり症で困っている読者の方にこんな問いをするのも何なのですが、あがることって本当に良くないことなのでしょうか?

「それはそうでしょう。あがってしまうからこそプレゼンテーションもうまくいかないし、良くないことに決まっているでしょう」 あなたはそう言うかもしれません。でも、私はこれまで何千人という人々のプレゼンテーションを指導してきた経験からわかっているのです。あがることは、悪いことばかりではありません。むしろ良い部分が多い。

例えば、適度な緊張感は話し手としてのやる気を感じさせます。聞き手の立場からしたら「おっ、気合入ってるな」と好意的に映るわけです。逆にまるであがっていない(=緊張感がない)と、聞き手からするとダラッとしているという風にも見える可能性があります。

緊張していない態度には、「それほど真剣じゃないから、緊張の一つもしないんじゃないのか?」と勘ぐってみたくなるもの。言い換えれば、あがっていて緊張感が高まっていること自体が、真剣さの表れとも言えるのです。

だから、あがりに対してネガティブな捉え方ばかりをすることを止めてみてはいかがでしょうか? あがっている自分に気付いたとき、「おぉ、真剣に取り組んでいる証拠だな」と考えてみてください。ふっと、楽になれるかもしれません。
 

プロだってあがる

ちなみに私は毎日のようにプレゼンテーションをし、プレゼンテーション方法を指導する立場にいるわけですが、そんな私でもあがってしまうことはあります。いえ、毎日あがっているというのが実際のところです。

ただ、あがり過ぎてアップアップになっていないのも事実。周りから見ると冷静にプレゼンテーションをしているように見えるようですし、自分でビデオなどで振り返っても、そこそこリラックスしているように見える。話すべき内容を忘れてしまうということもないし、見るからにガチガチになってしまうこともほとんどありません(稀にありますが)。

私がここで言いたいのは「プロはあがらないのではない。あがりを適度にコントロールするだけである」。あがることは良くないことばかりではないと言っても、ガチガチになりすぎるのは不都合もあるでしょう。だから、あがりをゼロにしようとするのではなく、適度におさえるという考え方を持ってみてください。
 

あがりを抑えるリハーサルと考え方

では、あがりを適度に抑えるためにはどうすればよいのか? あがりを抑える一番の方法は、リハーサルを繰り返すこと。あがりの程度と、リハーサルの量は反比例すると言えるでしょう。10回、20回とリハーサルをこなしていけば、本番も口が勝手にしゃべってくれるところまで到達します。

リハーサルが重要だというのは、あなたもご存じのとおり。「リハーサルが大事なのはわかるけど、それが十分にできない状況のときもあるし、即興で出番が来たときなどの対策も教えてほしい」というのが本音でしょう。わかりました。では、あがりを抑えるのに効果的な「考え方」を2つご紹介したいと思います。
 

プレゼンで緊張しない考え方1:かしこまって話そうとし過ぎない

あまりにかしこまりすぎるのは逆効果になることも多々あります

あまりにかしこまりすぎるのは逆効果になることも多々あります

大勢の前で話すときには、「よりフォーマルな態度・口調で話さなければならないのではないか?」と思っていませんか? もちろん、それが求められるシーンもありますが、そういうシーンは意外と少ないもの。

普段、ちょっと目上の人に話すくらいの丁寧さがあれば十分な場面がほとんどです。それなのに必要以上にかしこまって、普段使わないような言葉遣いで話そうとする。そして、つまずく。

たとえ、かしこまった口調のまま話せたとしても、意外と評価が高くないこともあります。というのは、過度のかしこまった口調は、その人から「自然と話している感じ」を削ぎ落としてしまいます。何か、心から出てきた言葉のような感じがしなくなってしまう。うまくやらないと、そういうリスクを抱えてしまうのです。

今回のプレゼンテーションにおいて、どれくらいのかしこまった口調が求められているのかちょっと見直してみると、心理的なハードルが下がり、あがりが抑えられることが多くあります。
 

プレゼンで緊張しない考え方2:聞き手の反応に引っ張られ過ぎない

プレゼンテーションの際、聞き手の反応は気になります。聴衆の誰かがつまらなさそうな顔をしていたり、無表情で聞いていたりすると、その人がすごく気になる。「もしかして、私の話がつまらないんじゃないだろうか」と不安になることも。

そういう方には、私は「聴衆の反応は気にしないでください」と言っています。理由は簡単。気にしても意味がないからです。なぜ気にしても意味がないのか? 論理的に説明していきましょう。

■聴衆の反応を気にするメリットは少ない
聴衆の反応を気にすることには、メリットとデメリットがあります。メリットは、聴衆の興味なさそうな話をしていると思ったら内容を変更できること。デメリットは、反応に引っ張られすぎて自分のペースをくずしてしまうこと。

メリットは確かにあるにはあるのですが、かなり上級編。プレゼンテーションの内容を即興で変えるというのは難しい。そもそも次のスライドに書かれていることは決まっていて、そうそう変えられない。本音はそうではないですか? とすると、このメリットはなかなか享受できないということです。しかし、デメリットは残る。

■聴衆の反応は意外とあてにならない
聴衆の反応に引っ張られすぎるのにも理由があります。根本にあるのは、「聞き手がつまらなさそうだったり、無表情だったりするのは、話し手の話が面白くないから」だという思いです。この一見疑いようのないメッセージは、実はまるであてになりません。

私は研修のなかで「聴衆の表情からその人の感想を読み取ろうとしてはいけない。日常接している人でもない限り、その人の表情が日ごろと同じなのか、そうでないのかはわからない」と言っています。

多くの聴衆はマンツーマンのときと比べると、無表情になりがち。聞き手は話し手の話が面白くないから無表情なのではなく、いつもそういう表情で聞いているから今日も同様に無表情なだけなのです。だから、そこに引っ張られるのは意味がないのです。

あがりに悩まされるのはつらいものです。本番の舞台に立ったときだけでなく、その何時間も、何日も前からドキドキすることもあるでしょう。私自身、昔はそのような感じだったからこそ、あがる人の痛みもわかり、そこに対策があることも理解しています。

あがりへの対策は文中に述べたとおり、考え方とリハーサルです。色々と試行錯誤してみてください。


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