文章:藤井 孝一(All About「起業・独立開業」旧ガイド)
成功と幸せをつかむ 英国式 ありがとうの会話術著 者:西出博子 体 裁:単行本:p196
出版社:日本実業出版社
ISBN: 4534039654 発行日:2005/10/01
マナー講師として、学生から経営者まで幅広い人気を得ている著者が「ポジティブワード」「依頼&質問形」「クッション言葉」「後良し言葉」「Yes・But+How」といった5つの会話テクニックを紹介。相手の立場に立って考える“マナー”を土台に、感謝・謙虚・素直・共感・共生の気持ちを持って、このテクニックを実践すればあなたの夢が叶えられる。●今週の選書について 本書は、本場イギリスでマナーを修得し、現在はビジネスマナーコンサルタントとして、TV、ラジオ、雑誌などで大活躍する著者が、ビジネスでもプライベートでも役立つ会話術を、豊富な事例と共に解説した書籍です。
最近は、スキルアップブームということで、様々なビジネススキルの修得に余念のないビジネスパーソンが増えています。中には、大企業の経営者向けの経営手法など、一般のビジネスパーソンにはほとんど無縁と思われるようなものまで必死で学ぶ人もいます。
そのわりに、肝心の会話には無頓着で、ぞんざいだったり、貧弱だったりと言うこともあります。しかし、ビジネスの世界で成否をわけるのは、意外にも日常のちょっとした会話だったりします。
日常の会話をきっかけに、自分の可能性を大きく広げる人もいれば、台無しにしてしまう人もいます。会話は毎日するものですから、その積み重ねの影響は、決してあなどれません。
★ 仕事柄、いろいろな経営者に出会いますが、ビジネスの頂上を極めた彼らの多くが、会話の達人です。なぜ達人かと言えば、コミュニケーションの大切さを知っていて、気を配っているからです。
メルマガでは十分に紹介できませんでしたが、本書には70以上の会話実例が紹介されており、ケーススタディができる工夫がされています。「会話が苦手」という人はもちろん、会話の達人を自認する人も、よい勉強になるはずです。
また、書籍には、マナーをもとにした会話術の解説だけでなく、著者自らがマナーを身につけ、成功と幸せを手に入れたプロセスと考え方が紹介されています。ビジネス、プライベートで良好な人間関係を築き、成功、幸福を手に入れることを目指すなら必読です。
相手を知り、自分を伝えることに怠惰にならない
かく言う私も、会話についてはわりと気を遣ってきたつもりです。しかし、本書を読むと、どうやら会話の達人というには程遠いようです。
ときどき自分でも「相手を傷つけたのでは…」とか「誤解を招く言い方だったのでは…」と気になることがあります。そういうときは相当落ち込み「もう人前で話すのはやめよう…」と思うほどです。
このメルマガの文体からは想像しにくいかもしれませんが、私は、同僚や身内には、わりとぶっきらぼうです。またセミナーなどでも、興奮すると「べらんめえ」調になったりします。
それでも「相手のことを思う気持ちは、相手にも伝わっているはず。だからどんなにぞんざいな言葉遣いをしようと許されるはず」なんて勝手に思ってきました。
考えてみれば、これは“おごり”です。相手に自分のことを「わかれ!」と言っているようなものです。「わからないお前が悪い」と言っているのと同じことです。
★ 会話に限らず、コミュニケーションの基本は、相手をわかり、自分を伝えることです。100%は無理でも、努力する姿勢を持ち続けることが、何より大事なのだと思います。
これは、英会話でも同じで、下手くそな英語でもこちらが一所懸命伝えようとすれば、相手は理解しようとしてくれるものです。反対に「おれの英語じゃ、伝わらないだろう」とテキトーに話していると、相手もテキトーに聴きますので、ますます伝わらなくなります。
本書の中で著者は「人は自分を大切にしてくれる相手に対しては、やさしい気持ちになれる。だから、人から大切にされたいなら、まずその人を大切にしその気持ちを上手に伝えましょう」と言います。
私は「相手のことを知り、自分を伝えよう」とする努力をやめないことこそが、相手を大切にする気持ちを伝えてくれるのだと思います。そんなことを気づかせてくれた一冊でした。
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