起業・独立事例

更新日:2004年07月22日

インターネット古書店「紫式部」 IT起業 伝統業界にニーズあり

伝統的な業界こそ商機あり!「紫式部」は230万点の及ぶ古書の検索通販サイト。IT技術をひっさげ、単独で古書業界に乗り込んだ河野さんの起業ノウハウを伺いました!

文章:藤井 孝一(All About「起業・独立開業」旧ガイド)


「古書」といえばいかにもITとは無縁の分野。そこにネットワークを張り巡らせたのが、(有)紫式部代表取締役の河野真さん(48歳)です。立ち上げたのは、日本最大のオンライン古書店ネットワーク「紫式部」。検索サーチエンジンで欲しい古書を探し、その場で購入手続きができます。すでに全国約120の古書店と契約。アメリカをはじめ、海外10カ国にも契約店を持っているそう。そこで今回はIT技術をひっさげ、単独で古書業界に乗り込んだ河野さんの起業ノウハウを伺ってみることにしましょう!


(有)紫式部
河野真さん(48歳)
(大手OA機器メーカー→オンライン古書店ネットワークサイト運営)


●きっかけはボランティア

事の起こりは10年ほど前のこと。当時、ボランティアをしていた電話相談窓口「いのちの電話」で、同じくボランティア仲間の古書店主に相談をもちかけられたのがきっかけでした。

「古書の通信販売をしたいんだけど」。もともとリコーのシステム事業部に勤めており、仕事柄IT技術に精通していた河野さん。それなら、とボランティアついでに、検索サーチエンジン付きの通販サイトを立ち上げることに。1995年、「紫式部」開設にこぎつけました。

「ところが、当初の参加店はわずか3店で月商は1万円そこそこ。その後、鳴かず飛ばずの状態が2年続きましたよ。幸い、会社勤めの身なので、焦りはなかったんですが・・・」

ところが3年目。インターネットの普及とともに、会員になりたい、という古書店が次々とあらわれるように。そのうち作業量は膨大となり、片手間ではとても間に合わなくなってしまいました。さりとて、自力で始めた仕事に大きな魅力も見出していたところ。中断するのはあまりにつらい・・・。迷いに迷った挙句、ついに会社生活にピリオドを打った河野さん。2000年をもって独立に踏み切ったのです。

「内心おっかなびっくり」でスタートした事業でしたが、案ずるより生むがやすし。すでに事業に着手していたため、とくに資金はかけずにすんだといいます。また、横浜市内にあるインキュベーション施設「ISO横浜」のビルに格安で入居し、ランニングコストも低価格で抑えることに成功しました。

「オフィススペースのほか会議室や電話応対、ファクスの利用なども可能。身一つあればビジネスができるシステムなんです」。施設に入居するベンチャーやSOHO経営者たちとの交流も盛んで、広報、税務など互いのノウハウを活かし、協力し合うこともあるそうです。

「よい大学を卒業し、大きな会社に入って老後を保証してもらう——そんな企業中心の時代はそろそろ終わりなんだな、と実感しています。これからは主体的に動く、身軽なビジネスパーソンがもっと増えるといい。仲間はすでにたくさんいるんです。この施設のような社会的資源もありますしね」

独立当初の年収は約200万円。苦闘していた河野さんですが、現在は約1100万円と、前職と同じ水準を維持しているそうです。次ページでは売り上げアップの工夫に迫ります!
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中野 裕哲

起業コンサルタント、税理士、行政書士、特定社労士。年間約200件の起業無料相談受託。起業準備から経営…

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