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はじめての確定申告(青色申告) 後編

通帳の数字と会計ソフトの預金口座の数字があわないことがあります。なにが原因なのでしょうか。決算が終わったら国税庁のWebサイトを使って青色申告書を作成してみましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

「はじめての確定申告(青色申告)前編」の後編です。

青色申告の準備をしていると売上以外にもよく数字があわない項目があります。それが銀行の通帳残高と会計ソフトの預金口座残高の不一致です。

銀行へ行って年末までの取引を通帳に記帳します。この12月末の残高が会計ソフトの年末残高とぴたっとあわないといけません。自慢ではありませんが、私もあったためしがありません。

あわない原因をみていきましょう。

口座残高をチェック:ポイント1 仕訳ミス

記帳した通帳とチェックする
記帳した通帳とチェックする
チェックのやり方ですが、まず記帳した通帳の各月末のところへ鉛筆で線を引いていきます。会計ソフトでは勘定科目毎に取引を出力することができるので、預金口座を指定して取引明細を出力します。

次に会計ソフトの月末残高と線を引いた通帳の月末残高をチェックしていきます。残高があわなくなった月で行った仕訳で間違っていますので、重点的に取引をみていきます。

原因はいくつかありますが、まず誤った仕訳をしている場合があります。

本来は現金を口座に入金する取引のはずが、誤って現金で消耗品を買ってしまうような取引にしてしまう場合です。
  借 方 貸 方
A社 預金口座 1000円 現金 1000円
のはずが
  借 方 貸 方
A社 消耗品 1000円 現金 1000円

と仕訳入力してしまいました。

会計ソフトでは勘定科目をマウスで選ぶだけですので、急いで仕訳していると変な勘定科目を入力してしまいます。1000円数字があわないのなら、1000円の取引を探して預金口座とすべき勘定科目をミスしていないかチェックしていきます。

それでもあわない場合は数字そのものを入力ミスしていないかチェックします。残高の差異が小さな金額の場合はこのケースが多いです。勘定科目はあっていますが、取引金額を本来6996円とあるべきところを6969円と誤って入力してしまうと数字があわなくなってしまいます。

口座残高をチェック:ポイント2 事業主勘定

はじめて青色申告する時に多いのが事業主勘定の記載漏れです。特に最初は家計用と事業用の口座を分けずに開業してしまうパターンが多いため、青色申告では事業収入を記載しないといけないという頭から家計の仕訳を飛ばしていることがあります。当然、家計の分だけ数字があいません。

自家用にネットショップでクレジットカードで決済し、口座から引落とされたら、それも記帳しなければなりません。家計と事業をつなぐ勘定科目として事業主勘定を使います。事業主勘定には【事業主貸、事業主借】があります。

銀行口座からクレジットカードで使った分が引き出されたなら【事業主貸】(会社が事業主に貸した)と登録します。
  借 方 貸 方
自家用 事業主貸 1000円 預金口座 1000円

友人に貸していたお金が預金口座に振り込まれたなど事業以外で口座に入金があれば【事業主借】(会社が事業主から借りた)として登録します。
  借 方 貸 方
自家用 預金口座 1000円 事業主借 1000円

しかし家計を会計ソフトで入力しだすと取引が膨大となり大変なので、すぐに事業用の口座を作り分離した方がよいでしょう。

青色申告で数字があわないことが多いのが売上と預金口座です。ここさえ乗り切ればあとは会計ソフトまかせでかまいません。
決算整理から決算処理については「さぁ青色申告 会計ソフトでラクラク決算」を参照してください。


次は国税庁のWebサイトで青色申告の書類を作成しましょう
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