『2007年問題』がいよいよ秒読み段階に入ってきました。
企業の基幹システムを構築し、保守してきた団塊世代技術者の大量退職が始まります。退職によりベテラン技術者から若い技術者にノウハウや技術がうまく継承されないことが危惧されてます。2007年問題はもともとIT業界の問題でしたが、現在では各業界で使われる言葉になっています。
汎用機の時代を支えた団塊世代
今から40年ほど前、IBMがいろいろな業界や分野で使えるOSの開発に着手し完成させたのがOS360です。360には360度全方位カバーできる(汎用性がある)という意味がありました。
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| OS360登場は新幹線開通と同じ時期 |
IBMのOS360により汎用機の歴史がスタートします。ちょうど東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開業した時代でした。映画「ALLWAYS 三丁目の夕日」の舞台になった時代のほんの少し後になります。
OS360が登場した年は最初のビジネスパソコンと呼ばれたPC9801が登場する18年前で、世界初のオール・トランジスター電卓「シャープ電子式卓上計算機コンペット CS-10A」が53万5千円で発売された年です。コンピュータ以前に電卓を見たことがない人がほとんどという時代でした。
日本の経済成長と共に汎用機が企業に導入されるようになりました。社内に情報システムを扱う専門部署は当然ありません。社長命令でコンピュータ導入が決まるとEDP室や電算室という名前の部署を作り、各部署から選りすぐりのメンバーが集められドリームチームが編成されました。
集められたのは業務フローを自ら書き、現場業務を知り尽くしたメンバーばかりです。このメンバーにコンピュータの仕組み、言語、操作を叩き込み、一から企業の基幹システムを構築しました。この年代が団塊世代です。
汎用機がレガシーシステムに
団塊世代が中心になって作り上げた基幹システムは、構築時はきれいなシステムでした。ところが長年、システムを使っているうちに法改正や企業を取り巻く環境変化により、それにあわせてどんどんシステムを変更してきました。
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| 変更につぐ変更でスパゲティのようにからみあったシステムに |
結果として変更につぐ変更でスパゲティのようにからみあったシステムになってしまいました。ドキュメントはまともに残っておらず、あっても修正が反映されていないため信用できず役に立ちません。
システムを修正するにはプログラムのコードそのものを分析して確かめなければならず、どこを修正すればよいか検討をつけるだけでも大変です。このため、ずっと基幹システムをお守してきたベテラン・エンジニアでないと触れなくなってしまいました。そして汎用機はレガシーシステム(遺産、遺物)と呼ばれるようになります。
バブル後の「失われた10年」にエンジニアの採用を抑制したこともあり、若いエンジニアにはクライアントサーバーシステムやウェブシステムを担当させ、レガシーシステムはベテラン・エンジニアが面倒をみるという棲み分け状態となってしまいました。
団塊世代が退職し、若いエンジニアがさわれないレガシーシステムなら再構築するしかありません。
このレガシーシステムの再構築が実にやっかいなのです