ケース1~届出書の提出期限を過ぎている場合
年商4,000万円のA社は今期から派遣社員を多く受け入れて、事業の拡大を図ろうとしています。これまでは簡易課税を適用していたのですが、今期からの派遣社員の増加により仕入税額控除が増えるため、簡易課税が本当に有利なのかどうか、社長は税理士にシミュレーションしてもらうことにしました。
社長 「先生、どうですか。やっぱり簡易課税の方が有利ですか?」
税理士「いえ、社長の予測通り今期からは原則課税に戻した方が有利です。ただ1つ問題があります。」
社長 「何でしょうか?」
税理士「今すぐに消費税の届出を出しても、原則課税に戻れるのは来期からなんです。まだ今期は始まったばかりですから、ほぼ1年分は不利な簡易課税のままになります。」
社長 「そんな・・・。今期は売上も増えそうだし、消費税も相当かかってくるのに何とかならないんですか、先生!」
税理士「ご安心下さい、社長。手はあります。原則課税に戻れるのは“来期”からです。では、その“来期”を早めてしまえばいいのです。つまり事業年度を変更して、“来期”の開始を早くするのです。」
社長 「そんなことができるんですか!?」
税理士「ええ。御社は.7月決算ですよね。では事業年度変更で9月決算に変えてしまいましょう。そうすれば今期は2ヶ月で終了し、10月から来期が始まります。不利な簡易課税の申告は2ヶ月で済みます。」
社長 「でも事業年度を変更するのに、また登記費用などがかかりませんか?」
税理士「いえ、事業年度は登記事項ではありませんので、定款を変更するだけで登記は不要です。株主総会の特別決議で変更が可能です。後は税務署等に届出を出すだけです。その時に原則課税への変更届も一緒に提出しましょう。」
社長 「よかった。先生、ではそれでお願いします。」
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