小粒な改正?
2005年12月15日に、自由民主党から「平成18年度税制改正大綱」が発表されました。
全体的な印象としては、大幅な改正項目はほとんどなく、どちらかという過去の減税策を打ち切りにしたり今まで有識者から指摘を受けてきたいびつな部分を今の時代に即した形に修正したりといった内容でした(その他の項目に、経営者にとっては大きなサプライズがありましたが、それは後半解説しています)。
新聞等ではこれを称して小粒な改正などといわれていたりもしますが、大綱をじっくりと読み込んでいくと、実はとても踏み込んだ内容であると実感します。どういうことかというと、今年の改正の位置づけが来年以後の抜本的な税制改正のための地ならし(準備段階)ではないかということです。
最近の税制改正というのはどちらかというとつぎはぎ的で、景気に配慮した内容でした。それを今回の税制改正大綱では、つぎはぎ的な減税策を打ち切り、新たな減税策もほとんど盛り込んでいません。三位一体改革の1つである国と地方の税源移譲の問題でも、踏み込んだ税率改正を提議しています。
最近の税制改正の内容をみると、作成者側に、「今後日本の税制を抜本的にやり直す」といったはっきりとした意図があるように感じます。
会社をつくっても節税させません!
特に目玉がないといわれている税制改正の中でも、実務面では大きなサプライズがありました。それは、「同族会社の役員報酬の一部損金不算入」という項目です。最近の税制改正特有の、「その他」という中にそっと書かれていました。新聞等ではほとんど報道されていませんが、経営者にとってはとても大きな影響があるものと予測されます。
内容は、業務主宰役員グループが90%以上の株式を所有し常務従事役員の過半数が業務主宰役員グループの場合に、その業務を主宰する役員報酬の「給与所得控除相当額」が損金にならないというものです。例えば年収600万円の場合174万円、年収1200万円で230万円の給与所得控除額が損金不算入になるのです。
230万円に法人の実行税率40%をかけると、約90万円の増税ということです。この影響は非常に大きいといえるでしょう。それは、多くの同族法人の法人設立理由がこの給与所得控除を使った節税策(個人と法人で経費計上できること)にあるからです。
>対策はあるのか?