出口という魔物
財投制度があることによって、郵貯と簡保だけで350兆円というお金を集金できた。そのお金に目をつけたのが、特殊法人系の人たちである。特殊法人とは、例えば道路公団や住宅金融公庫。その特殊法人系の人たちは、会社は大赤字であるのに高い給料と退職金をもらって、足りなくなれば350兆円で補てんする。そしてそれぞれの事業自体も、明らかに無駄が多かった。特殊法人の問題は、いわゆるお金の出口の問題だ。
この特殊法人に対してもメスが入った。道路公団は民営化し、住宅金融公庫は廃止など。お金の出口の改革も一応すすんでいるということである。
そして入口という怪獣
官業の無駄使いや天下り退職金の問題がなぜ起こるのかというと、そこに無駄ができるだけのお金があったからかもしれない。私もどちらかというと財布にお金があればすべて使ってしまうほうだ。
お金の入口である郵貯や簡保(350兆円)を民営化することによって、350兆円というお金が「官から民」へ流れる構造をとろうとしたのが、今回の「郵政民営化」の真意である。
まとめると、官にお金を流す仕組みの「財政投融資制度」にメスが入り、お金の出口に当たる「特殊法人」も改革し、そしていよいよお金の入口に当たる部分を改革するために、「郵政民営化」しよう、ということである。
私は誰がなんと言おうと、郵政民営化は日本を変える「キモ」であると思う。小手先の「景気対策」や「年金対策」よりも、「郵政民営化」を優先するべきである。ここで、行革の鬼と言われ「増税なき財政再建」を掲げ、国鉄、電電公社、専売公社の3社民営化を断行した「土光敏夫(どこうとしお)さん」の言葉を引用する。
なぜ行革が必要か?という問いに対して、
「ローマ帝国はパンとサーカスによって滅びた。これは、巨大な富を集中し繁栄を謳歌したローマ市民は、次第にその欲望を増大させ、タダのパンを与えられて労働を忘れ、サーカスに代表される消費と娯楽に明け暮れるようになる。その結果、ローマ市民は自立自助の勤労精神を失っていき、・・・、滅んだ。わが国がそのような轍(てつ)を踏まないためには、自立自助という勤労精神を失わないようにしなくてはならん。それが私の哲学であり、行革をやらんとするスタンスだ。」
自立自助という勤労精神、今こそ必要ではないかと思う。
有名な言葉に、「天は自ら助くる者を助く」というのもある(サミュエル・スマイルズの自助論(セルフ・ヘルプ)より)。そういった世の中にしていくためのキモが、「郵政民営化」である。
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