■平成14年度第31問からの抜粋
この問題をみて「ピン!」と来た人はすでに取得者か、あるいは受験者の方でしょう。そう、この問題は平成14年に「マンション管理士試験」で実際に出題された過去問を抜粋しています。かなり実践に即した問題であることが、ご理解いただけるのではないでしょうか?
【問1】 支払義務がある| 「滞納分はBが全額責任をもって管理組合に支払い、Aには一切迷惑をかけない」という念書をもらって売買したのだから、私には支払い義務はない。 |
借金を残したままお父様が死亡すると、当該債務はご家族などの相続人が引き継ぐ(限定承認の場合を除く)のと同様に、滞納管理費などの債務も新しくマンションを所有した人(「特定承継人」といいます)に引き継がれます(区分所有法第8条)。
本題ではAB間で念書を結んでいますが、あくまで当事者同士の約束ごとに過ぎず管理組合等の第三者へは主張できません。
【問2】 支払義務がある| 私は競売代金全額を裁判所に支払って買受人となったが、この物件の現況調査報告書には管理費の滞納分について記載がなかったので、私には支払い義務はない。 |
競売による買受人も、問1同様に特定承継人であり管理組合に対抗することはできません。「現況調査報告書には管理費の滞納分について記載がなかった」としても支払義務がなくなるわけではありません。
【問3】 支払義務がある| 仲介業者からBに滞納分があると聞いていたので、私には支払義務があるのはやむを得ないとしても、支払いを遅延したのはBであって私ではないから、私に遅延損害金の支払義務はない。 |
特定承継人に対する請求権は前区分所有者が負担していた債務全額に及びます。そのため遅延損害金についても支払義務が発生します。
【問4】 支払義務はない| 管理組合とBとの間に、Bが滞納分の全額を支払う旨の和解が成立しているから、私には支払義務はない。 |
和解とは「当事者が互いに譲歩して紛争を終わらせることを約束する(民法第695条)」ことで、AB間に和解が有効に成立している場合、支払義務はなくなることとなります。
■重要事項説明の義務化宅地建物取引業法により、管理費等の未収金がある場合は売買契約締結前に購入するかどうかを判断できるように重要事項説明書に「管理費等の滞納がある旨および滞納額」を記載することが義務付けられています。必ず確認することが肝要です。
媒介をした不動産会社(宅建業者)が説明を怠ったために買主に損害を与えた場合は、宅建業者は買主に対して債務不履行責任(契約の解除および損害賠償請求)を負うことも覚えておきましょう。
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