■ペイオフで多い相談とは?「何回延期すれば気が済むのか・・・」こんな言葉が聞こえてきそうなペイオフですが、
予定では2005年4月より完全解禁となる運びです。1000万円(とその利息)を超える多額の修繕積立金をかかえる管理組合では「将来に対する“大事な資産”をどのように保全すればいいか」実に切実な問題ですが、話を聞いてみると相談内容としておよそ3つに集約されることが分かりました。
相談1 ペイオフ自体のことがよく分からない「ペイオフ」というと「金融機関の破たん時には1000万円とその利息までしか保護されず、それ以上は戻ってこない」ことだけが一人歩きしている感があり、1000万円超の預金は
全額債権者へ振り分けられてしまうと思っている人も少なくありません。
逆に、銀行がつぶれても預金総額が1000万円に満たなければペイオフ対策はまったく必要ないと考える管理組合もあり、預金封鎖や「仮払い」制度(※)などをご存じないようです。つまり、ペイオフの仕組みが把握できていないのです。
| ◆仮払いとは? 金融機関が破たんすると清算手続きに入りますが、この作業終了には時間がかかり作業中は預金残高が1000万円未満の預金者も含め、すべての引き出しが出来なくなります(預金封鎖)。しかし、日常の生活資金に当る普通預金が引き出せなくなることは、預金者の死活問題にもつながりかねません。そこで、各預金者の普通預金残高(元本のみ)から1口座当たり60万円を上限として一時払いするようになっています。この制度が「仮払い」です。 |
相談2 管理組合として、どう対応すればいいのか?次に、問題となるのが「組合としてどのように対応すればいいのか?」です。管理組合の役員を引き受ける居住者は得てして高齢の方になりやすいため金融商品の知識がおぼつかなかったり、管理費の収納や共用部分の光熱費清算など決済業務は現実として受託管理会社がすべて代行しているため、役員といっても管理組合会計の仕組みを理解できていないのがほとんどです。
週刊誌やTV番組ではやたらと“危機意識”ばかりが強調され、「何か対策を練らなければいけない」と焦燥感ばかりが先立ち、一方では「相談できる相手がいない」「管理会社に頼りっきり」
「よく分からないので何もしない」と、先送りとなっているところも多いのではないでしょうか?
正体のつかめない「オバケ」におびえている、がごとき状況です。
相談3 万が一の場合の責任問題は?最後は、もしペイオフが発動され管理組合が損害を受けた場合に「責任は誰にあるのか・・・」です。
当該相談は「管理組合自体が組織的に機能しているかどうか」と関連があり、組合として実行したペイオフ対策の決定プロセスがどのような経路によるかにも関係してきます。理事長が単独で決定したのか?理事会決議によるのか?総会を開催して居住者全員の同意を得たのか?、あるいは
管理業者に丸投げ???と、すべての組合員へ説明責任が果たせているかどうかが重要なカギとなります。
■何もしないことが最大のリスクとなるただでさえ分かりにくいマンション管理なのに、その上にペイオフの心配までしなければならない・・・「こんな時期に役員になって貧乏くじを引いたみたいだ」と嘆いても何も解決しません。残念ながら現状ではペイオフ対策としての“万能薬”は存在しませんが、間違いなく言えることは「ペイオフ対策を何もしないことは最大のリスクである」ということです。

「解禁までまだ1年ある」「解禁までもう1年しかない」
読者の皆さまはどちらですか?まずは問題意識を持ち、
1.修繕積立金残高がいくらあるのか
2.どこの金融機関で口座種別(普通預金、定期預金など)はどうか
3.大規模修繕工事の予定が何年後にあるのか(換金との兼ね合い)
を確認して現状を把握してください。病気の原因が見つからなければ治療の方法は分かりません。解決への第一歩は“重い腰を上げる”ことと言えるでしょう。
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