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処遇改善か、外国人介護士で人手不足解消か

8月上旬、インドネシア人の介護士が来日します。介護職不足解消のためにもっと受け入れてほしいと願う人。労働環境改善なしに安易に受け入れるべきではないという人。どちらの意見も正しく、難しい問題です。

執筆者:宮下 公美子

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処遇改善と人材不足解消、どちらが優先?

2008年7月13日(日)の毎日新聞朝刊「闘論」欄でも、2人の介護・看護業界関係者による対立した意見が紹介されていました。

海外からの介護士、看護師受け入れをもっと積極的に行うべきだという意見を述べていたのは、全国老人福祉施設協議会会長で参議院議員の中村博彦氏。一方、安易な外国人介護士、看護師受け入れを反対する立場で意見を述べていたのは、日本看護協会常任理事の小川忍氏。どちらの意見も非常に説得力があり、うなずかされます。

賛成する中村氏が言うのは、潜在看護師や介護士の掘り起こし、処遇の改善、報酬引き上げなどは必要だが、事態はもっと危機的だということ。新規オープンしても人手不足で全床を稼働できない介護施設がふえている事実を挙げ、今後、生産年齢人口がさらに減っていくことを考えれば、多文化共生の仕組みを考え、「人材開国」を進める必要があると述べています。

これに対し、反対する小川氏は、看護師不足の原因は、人材が不足しているのではなく、夜勤や長時間労働による離職にある、といいます(介護士不足も同理由と思われます)。介護士不足は看護師よりさらに深刻で、高校で先生が「介護士の学校は、就職後、給料が安いから辞めなさい」と進路指導している事実を指摘。こうした低待遇を放置しておいて、外国人労働者を受け入れればいいというのは無責任だと言い切っています。

私自身は小川氏に近い意見なので、非常に共感できます。しかし、実際に特養を運営し、協議会会長でもある中村氏が訴える介護現場の厳しい現実にも、説得力があります。安易に外国人を受け入れることには反対ですが、だからといって、介護職がいなくなり、要介護の高齢者の生活が成り立たなくなるような事態は、絶対に避けなくてはなりません。そう考えると、今後も積極的に受け入れざるを得ないのかな、と。

でもそれには、処遇改善を同時並行で進めていくことが必須条件です。このままの処遇をそのままにしていてはダメだという点では、二人の意見は一致しています。

一方で、外国人介護士を受け入れて、ある程度人手不足が解消してしまったら、処遇改善へのモチベーションが下がる気もします。それでは困ります。

また、外国人労働者の受け入れという側面から見ると、今回、特定的な人材交流と位置づけているにせよ、政府対応による本格的な専門職外国人の受け入れがようやく始まるわけです。ですから、来日してくれたインドネシア人が「来て良かった」と思える仕組みにし、納得できる処遇を提供できなければ、今後、日本に来ようという外国人がいなくなってしまう恐れがあります。そのあたり本気で考えて仕組みを作っているのかなぁと不安に思います。

みなさんは、どう思いますか?

処遇改善が先か。
とりあえず人手不足解消か。
同時並行での取り組みは可能なのか。

また、受け入れ体制はこれでいいのか。

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更新日:2008年07月18日

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